東京大学大学院情報学環コンテンツ創造科学産学連携教育プログラム公開講座 アニメーションの最前線からのメッセージ 20050509 TV Series BLOOD Night/東大安田講堂(長ったらしい名前だ)で公開された、BLOODシリーズのTVシリーズアニメ『BLOOD+』についての情報を纏める。
正式タイトルは書いたとおり『
スタッフについては既に書いたとおり、以下のようになる。
原作 | プロダクションI.G/アニプレックス |
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監督・シリーズ構成 | 藤咲淳一 |
キャラクターデザイン | 箸井地図 |
アニメーションキャラクター・総作画監督 | 石井明治 |
企画協力 | 押井守 |
制作 | プロダクションI.G |
製作 | 毎日放送・アニプレックス・プロダクションI.G |
放送は2005年10月 毎週土曜夕方6時よりMBS・TBS系全国ネットで。現在『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』を放送している時間帯であり、その前は『鋼の錬金術師』『機動戦士ガンダムSEED』という最近のメガヒット作品を放送していた時間帯である。そして『BLOOD+』のプロデューサーには、『鋼』『SEED』などでプロデューサーを務めている竹田菁滋氏の名がある。
『BLOOD+』のストーリーだが、物語は現代の沖縄から始まる。音無小夜は沖縄在住の女子高生で、家族とともに平凡な暮らしを送っているが、一年以上前の記憶を失っている。やがて彼女はハジというチェロ奏者に出会うことによって変化が訪れる……というもの。そして沖縄を皮切りに、世界各地を巡るロードムービー風の作品となるそうだ。何でも「戦闘を描かずに戦争を描きたい」ということから、物語を沖縄から始めるそうである。
『BLOOD+』のコミック展開も同時に発表された。
掲載紙 | 連載開始号 | 発売日 | 作者 | 内容 |
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月刊少年エース | 9月号 | 7月26日 | 桂明日香 | アニメ版『BLOOD+』に一番近い内容 |
ビーンズエース | Vol.1(新創刊) | 7月8日 | スエカネクミコ | ロシア革命前夜を描いた『BLOOD+』外伝 |
CIEL | 9月号 | 7月30日 | 如月弘鷹 | ハジにスポットを当てた外伝 |
スエカネクミコ氏は『逆転裁判』のキャラクターデザインをしている人物。ビーンズエースはファンタジー系で新創刊されるコミック誌。
ちなみに安田講堂のイヴェントで栗山千明氏は司会を務めていたが、これはタランティーノが『BLOOD THE LAST VAMPIRE』に影響を受けて作ったという『キル・ビル』でゴーゴー夕張を演じていたからという繋がりであり、特に声優出演がどうのという予定はないらしい。
spk
教官もおられたのですね。
立ち見でしたが楽しい話が聞けました。
押井さんや石川さんはああいうしゃべり方なのか…
少々開始が遅れた影響か、退場誘導がうまくいってなかったのと、
記者だけでなく一般の来場者にも館内の地図とかくらいは配布できなかったのかな、という点が気がかりでした。
マイッタ
そろそろ誰か突っ込んでやれと思うのですが、栗山千明が演じたゴーゴー夕張のモデルがBLOODの小夜であるというのは微妙に情報が曲げられているように思うのですが。
栗山がゴーゴー夕張に起用された理由ついてはこちらのサイトのキルビル作品紹介にもあるとおりです。
ゴーゴーを演じるにあたってタランティーノから梅津泰臣監督の「A KITE」を薦められたと栗山自身が当時のインタビューで語っています。ちなみにこの『A KITE』のキャラ『砂羽』もセーラー服を着ています。確かにBLOODも同時に見せられたのかもしれませんが、キルビル本編を見る限り、ゴーゴーについては『バトルロワイヤル』+『A KITE』といった印象が強いです。
では、BLOODがキルビルの何に影響を与えたのか。これも本編を見ればわかるのですが、IGが担当したアニメパート、オーレンイシイの幼少時代のシーンです。オーレンが親の仇である大物ヤクザを『セーラー服姿に日本刀でメッタ刺しにする』シーンがあります。このセーラー服に日本刀というモチーフがそのまま流用されているわけです。タランティーノのパクリ・・・もとい、インスパイアぶりはいろんなところで発揮されていて、テーマ曲にあっては、布袋寅泰の『新・仁義なき戦い』で使用した曲を気に入り、そのまま使ったという経緯があります。栗山千明や千葉真一起用の経緯を見ても、『影響を受けたものをそのまま使う』のはタランティーノの十八番でもあるわけです。BLOODという作品はつまり、『オーレンイシイの幼少時代』という世間にアピールするには微妙にわかりづらいところで影響を与えているわけです。
となると今回のイベントは栗山千明ではなく、オーレンの幼少時代を演じた声優さんが来るのが正当なのですが、教官のニュースから引用し一部加筆すると
タランティーノが『BLOOD THE LAST VAMPIRE』に影響を受けて<アニメパートをIGに依頼し>作ったという『キル・ビル』で、<まったく別のシーンで登場した>ゴーゴー夕張を演じていたからという繋がり
ならば間違いはないわけです。しかし、栗山千明がブログで書いたり、一部で吹聴された、『ゴーゴー夕張のモデルは小夜』というのはちょっと違うように思います。
ただ、イベントで進行を担当した東大の原島博教授の言ったように、「セーラー服に武器を掲げる少女」というモチーフは非常にエキセントリックであり、BLOODやA KITEに代表されるような日本の表現文化がタランティーノをはじめとする若い(といってももう40過ぎですが)作家に影響を与えたことは、間違いなさそうです。それにしてもどういう経緯で「ゴーゴー夕張のモデルは小夜」になったのか、かなり謎です。
八満とシアン
はじめまして、いつもI.G情報を読ませていただいております。
僕も会場に行った一人なのですが、なかなか興味深い話を聴けましたね。
>spkさん
>少々開始が遅れた影響か、退場誘導がうまくいってなかったのと~という点が気がかりでした。
教授の方々が語っていたようにやはり入場者数を間違えたからなのではないでしょうか……。
>マイッタさん
>ゴーゴーについては『バトルロワイヤル』+『A KITE』といった印象が強いです。
僕もそういった印象を受けていますし、タランティーノのインタビューで(キャラクターづけに関しては)BLOODの話が出てきた記憶もありません。そうなると栗山千明はBLOOD+の小夜の声優を担当するから半ばこじつけ気味に呼ばれたのでは……と邪推してしまいます。あくまで“邪推”の域を出ませんが;