中国大使館の話だけを垂れ流すGoogleニュース日本語版

Googleニュース日本語版を利用している人は多いと思う。これは、新聞社のサイトなどあちこちのニュース関連サイトをクロールし、掲載されたニュースをロボットが自動的に分類してまとめリンクを掲載するというものだ。

野良犬の塒: Googleニュースの影響
野良犬の塒: Google News

さてこのGoogleニュース日本語版、現在では610以上のサイトからニュースを収集しているという。そのサイトのリストは公開されていないのでわかりにくいが、Googleニュースがクロールするサイトについては、ある種の傾向があるように思える。
まずGoogleニュースではクロール対象に東亞日報朝鮮日報中央日報中国国際放送局(CRI)が含まれているため、Googleニュースのトップページを見ると中国(中共)、韓国、北朝鮮寄りの記事が目立つ。このこと自体はある意味仕方ないと言える。日本に右派寄りでしっかりしたニュースサイトを構築しているところや、他の国の政府寄りの記事を掲載している日本語ニュースサイトが少ないため、そちらの方が見えずに親朝、親中の方が目立ってしまう、つまりメディア全体が親朝、親中に寄っている傾向があるため、Googleニュースもそちらに寄ってしまっていると言えるからだ。だが、どうしても私には理解できないことが一つある。

Googleニュース画面

このように、Googleニュースのクロール対象に、中国人民共和国大使館が含まれていることだ。これは一体どういう事なのか? 朝鮮日報などは(実情は置くとして)報道を扱う企業であり、他の日本の新聞社などと同列に扱われるというのはいいだろう。だが、中共大使館という、中共政府の公報をそのまま流すだけの、決して報道機関ではない場所がどうして他のニュースサイトと同列に並べられているのか? その一方で私はGoogleニュースに、他の国の大使館や日本政府系サイトの公報が掲載されているのを見たことがない。扱いの公平性を期すならそちらも同列に扱うべきなのに、中共大使館だけクロール対象としていては、どう考えてもGoogleニュースの内容が結果として中共寄りになる。どうして他国の政府系サイトはGoogleニュースのクロールに含まれていないのか? それとも実際はクロールしているが私が見落としているだけか? 私は毎日のようにGoogleニュースを見ているのだが?

以前私はこのことで、Googleにメールを送ったことがある。その時の回答が以下のものだ。

お問い合わせいただきありがとうございます。Googleニュースは、掲載記事が人の手を介さずにコンピュータアルゴリズムによってのみ採用されている点で、他のニュースサービスとは大きく異なっています。Googleでは、人の手を介さずに、ヘッドラインの選択やグループ化、掲載順位の決定を行っています。これにより、Googleニュースでは、さまざまな視点や編集方針を持つ提供元から、政治的観点やイデオロギーに関係なくニュースを採用しています。

メインページにおける記事の掲載位置は、各記事のウェブ掲載頻度や掲載場所など、多数の要因に基いた純粋な数学アルゴリズムによって決定されます。Googleでは、賛否両論を呼ぶトピックについて、対立する考え方を持ったサイトをすべて含めることで包括的な視点を提供できるよう努めております。

貴重なお時間を割いてご連絡いただきありがとうございました。この件に関するお客様のフィードバックを参考にし、Googleニュースの改善に努めてまいります。

今後ともGoogleをどうぞよろしくお願いいたします。

Googleチーム

どう考えても質問の回答になっていない、ただのテンプレート返しである。私の質問は「どうして中共大使館がクロール対象になっているのか」であり、まさか中共大使館をクロール対象に選んだのは自動処理の結果だというわけではあるまい。そもそも中共大使館だけ扱っているのでは賛否両論を呼ぶトピックについて、対立する考え方を持ったサイトをすべて含めることで包括的な視点を提供できるよう努めておりますという話に反している。

その点を指摘して、もう一度メールを送った。その回答が以下である。

お問い合わせいただきありがとうございます。Googleにて早急に詳細を確認いたします。

Googleニュース改善に向けてのご協力に感謝いたします。

今後とも Google をどうぞよろしくお願いいたします。

Google チーム

この返事が返ってから約2ヵ月が経過しているが新たな返事はなく、相変わらずGoogleニュース日本語版は中共大使館の話を垂れ流し続けている。