バンダイビジュアルがBlu-rayのソフトを発売することが大々的に報じられた一方で、アニプレックスもBlu-rayソフト発売を発表しました。とはいっても、気付いていない人がほとんどでしょう。何せ、バンダイビジュアルは東京国際アニメフェアで時間をとって特設ステージにて大々的に発表した一方で、アニプレックスは同イヴェントにて配布していたフリーペーパーにこっそり書いていただけですので。(現在、Webサイト上にも記載無し)
ソニー系列のアニプレックスがBlu-rayに参入するのは時間の問題であったわけですが、そのアニプレックスBlu-rayソフト第1弾は意外にも『FLAG』。このアニメは全13話(DVD全6巻)ですが、約120分の総集編(ペーパーではディレクターズ・カットと表記)を制作中で、こちらのパッケージがBlu-rayで夏頃に発売されるとのことです(DVD版も同時発売予定らしい)。『FLAG』は元々HDで制作されていたということが、Blu-ray版制作の大きな理由のようです。
しかし冒険的なことで。『FLAG』は「劇中の映像は、全て登場人物がカメラで撮影した映像」という設定で構成されている冒険的な技法のアニメです。その挑戦や映像は一部で高い評価を受けているものの、TV放送せず(ネット配信とDVDのみ)、ロボット活躍せず、美少女出ず、知名度上がらずで、商業的には成功しているとは言い難い作品です。「これだけ冒険した作品だから、どうせならもう1発冒険してしまおう」という考えがあるのかも知れません。あと、Blu-ray制作のノウハウを獲得したいというのもあるのでしょうが。価格についてはまだ不明です。
一方のバンダイビジュアルは、押井、大友などの売れ線ソフト(良い言い方をすれば「需要ある名作」、悪い言い方をすれば「使い古された資産」)で固めてきました。Blu-rayもしくはHD DVDと、DVDをセットにしたのは「今はBlu-ray(HD DVD)プレイヤーを持っていないけど、取り敢えずソフトは抑えておこう」という人向けでしょう。もっとも、既にプレイヤーを持っている人にとっては、値段が高くなるだけでいい迷惑なので反発も出ています。『人狼 JIN-ROH』や『アヴァロン』の初回特典付きDVDパッケージは、絵コンテやら何やらがついて12,800円でした(現在は4,800円の廉価版で発売中)。一方、Blu-rayでのこれらのパッケージは10,290円。この値段はどう評価されるでしょう。
東京国際アニメフェアのバンダイビジュアルブースでは『FREEDOM』のHD DVD映像デモが行われていてこちらはさすがの高画質でした。ですが、『AKIRA』や『機動警察パトレイバー』などといった古いアニメをHDにして画質がどうなるのかは未知数です。値段相応の価値があることを期待したいですが。
で、私は人柱になる覚悟で、押井守のBlu-rayソフトは全部予約しましたよ、ええ。
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