前回に引き続いて、『重鉄騎×押井守』[ポーランドメイキング]の紹介。今回は、メイキングDVDの内容について。
……とその前に、9月28日発売となっていた、この『重鉄騎×押井守』[ポーランドメイキング]ですが、発売を10月26日に延期するという通知メールがキャラアニ・ユーザーサポートより予約者へと届きました。“DVDの収録内容の見直し”が主な原因とありますが、以下のメイキング内容についてはあまり影響ないらしいです。
話を戻してメイキングDVDについてですが、資料として頂いたDVDは製品マスターではないため、以下の画像は画質が悪くなっています。またタイムコードが入っていたので画面をトリミングして掲載しています、予めご了承下さい。
飲み会で打ち上げをしながら、撮影について振り返っていき、その中にポーランド現地の映像がインサートされていくという方式です。今回の撮影を引き受けた経緯などについても話しています。例によって一部押井氏の声が聞き取りにくいのが難点。
撮影はポーランドで行われました。自衛隊の協力を得るのが難しいであろうということ、重鉄騎は「コンピューターがバクテリアで汚染され使えない」という設定なのでレトロな戦車を撮りたかったということ、『アヴァロン』でポーランドロケの経験があると言うことが理由。『アヴァロン』では戦車内部を撮影していなかったからやり残し感があった、というのもあるそうです。
撮影に使用した戦車を借りた場所、撮影を行った場所は、個人が趣味で軍用品・軍用車両を集めているところ。戦闘車両どころか架橋車両まであり「なんでこんなものがあるの?」という声が。
撮影に使用したのはT-55ですが、稼動状態のT-55だけでも3両はあるそうです。T-34-85と思われる車両も。
撮影に使用されたT-55。
T-55のディーゼルエンジンをふかして火が出ているところ。昔の戦車の始動はこんな感じだったということを知る人は少ないのでは。
T-55内部の撮影。T-55内部の映像資料としても貴重と言えるでしょう。
とにかく内部が狭いため、撮影は全てこのようなハンディカメラで行われました。恐らく日本から持ち込む機材量の影響もあったのでしょう、クレーンに載せたのもハンディカメラ。
機銃発射シーンを空砲で撮影。当初、女優や女優の事務所が「危険だ」ということで渋っていたそうですが、「安全だから」とスタッフが実際に撃って見せたところ、女優が心変わりして「自分でやる」と言ったそうです。ただ顔のアップのシーンは合成。マズルフラッシュや発射炎などで、プロの軍人でない限り目を閉じてしまうから。
合成のためブルーバックでの撮影も行われました。登場人物はアメリカ軍人という設定なので、U.S.ARMYの制服。
僅かなポーランド滞在期間中、撮影直前に行ったオーディションでの裏話や、主演女優のインタビューも。
銃に触れられる機会は逃さない押井氏。
以上の撮影現場映像の合間合間に、飲み会の映像が差し込まれており、押井氏ほかスタッフが裏話を話していて、なかなか面白いです。
「T-55はレアものだから」 「そう言いつつも外側は撮れないんだから」 「そこが映画なんだよね。折角T-55があるのに外はほとんど撮れず帰ってきたのが映画っぽくて」と押井氏。そして、「もう映画しかないでしょう」 「戦車映画撮るってのは夢だから」 と、映画版『重鉄騎』の名前まで決めてしまっておりました。
たった1日のロケではあったものの、面白いメイキングになっておりました。やはり武器を使った海外ロケとなると色々あるものです。東側兵器マニアにとっては、お宝映像が沢山入っていると言えるはずですが、生憎私はそこまで東側の兵器に詳しくないのが残念でした。あとは書籍とDVDセットで値段が3000円以下だったらもっと嬉しかったのですけど、さすがに厳しかったのかな……(装丁がどんな感じになるのかはわかりませんが)。
というわけで、改めてこのメイキングDVDが付属している書籍“『重鉄騎×押井守』[ポーランドメイキング]”はキャラアニ.comで予約受付中です。Amazonでも取り扱いを再開しました。
念のために書いておくと、私はキャラアニさんから「素材をお渡しできるので、よければ紹介してほしい」と言われただけであり、「ポジティブな宣伝トークを書いてほしい」というようなことは一切言われておりませんし、ギャラも製品を受け取る約束もしていません。最近「ステマ」という言葉がやたらと流行っているので、念のため。
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