Wired News - 進化する「脳-コンピューター直結インターフェース」 - Hotwired
こちらに、臨床試験の被験者が、脳に直結したケーブル(生憎首の後ろではなく頭頂部)を経由してPCのマウスカーソルを操作したり、義手を動かしたりする様子の動画がある。
ネイグル氏は、ビデオ映像の中でブレインゲートを使って人工腕を使いながら「悪くないね、うん、けっこういける」と話している。マサチューセッツ州ウェイマスのウェサガセット海岸でケンカの最中に首を刺されて以来、同氏が手を動かしたのはこれが初めてだ。刺し傷によって脊椎の機能を遮断されたネイグル氏は、麻痺状態になり、人工呼吸器を必要としている。
ネイグル氏の頭の上からは、映画『マトリックス』に出てきそうなプラグが突き出ているが、ブレインゲートのおかげで同氏が獲得した新たな能力を考えれば、ほとんど何でもないことなのかもしれない。
一方、より簡単で非侵襲性の(組織を傷つけたり体を痛めたりしない)BCIの研究に取り組む研究者もいる。ニューヨークのウォズワースセンターに在籍するジョナサン・ウォルポー教授は2004年12月、自ら開発した非侵襲性の帽子型脳波図(EEG)読み取り機に関する論文を『米国科学アカデミー紀要』(PNAS)に発表した。論文によると、この帽子型読み取り機(写真)は、サイバーキネティックス社の侵襲性の技術と少なくとも同程度の脳の信号読み取り能力を持つという。
患者も医師も、できることなら手術で頭蓋骨を開けることなくBCIを機能させたいと考える。だが頭の外側に取り付けられたBCIが、埋め込み型の装置と同じレベルで脳波を読み取れるのかどうかは、まだ定かではない。ウォルポー教授が研究成果を発表するまでは、埋め込み型には及ばないというのが、専門家の一般的な見解だった。
「非侵襲性の手法が、多くの人が考えている以上に機能するのは明らかだ。ただしこの手法、そして侵襲性の手法による機能が今後どれほど向上するかは、現時点ではわからない」とウォルポー教授。
10年ほどすれば、実際に脳から操作する義肢をつけた人が現れるかもしれない。だが全身義体はまだまだ先のようだ。
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