東京国際アニメフェア速報 その5 I.G制作による新作ゲーム

東京国際アニメフェア2005でのProduction I.Gブースで、もう一つの隠し球として用意されていたのが、I.Gによる新作ゲームだった。

『スキャンダル』『BLOOD THE LAST VAMPIRE』『サービュランス』『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』に続くI.Gブランドのゲームとなるわけだが、今回のゲームはなんとアニメ業界シミュレーション。プレイヤーはI.Gのプロデューサーとなって新作アニメを企画・制作するというもの。会場ではオープニングアニメ(?)が上映されていたが、いきなりI.G石川社長の顔が大量に出てきたので“何じゃこりゃぁ!“と思ってしまった。

ゲームは2つのパートに分けられている模様。まず最初のアドヴェンチャーパートでは、魔窟と化したアニメスタジオというダンジョンを歩き回り(まるで『トーキング・ヘッド』で、意味もなく二宮金次郎像が置かれていたりする)、制作スタッフを確保しなければならない。このゲームに登場する制作スタッフは、実在する人物(に似ているような気がする名前)が色々と登場するようで、会場ではアニメーター“西尾鉄子”(絵はもちろんジバクちゃん風)を制作スタッフとして確保しようとしている様子のデモが上映されていた。プレイヤーはゲーム中、スタジオ内でアニメスタッフやI.G社長(石川氏)に遭遇すると、RPG風の画面に切り替わる。その画面では、でっちあげた企画書を相手に見せたり、相手の意見には反論して煙に巻いて籠絡したりしながら、制作資金を確保したりスタッフに引きずり込んだりしてゆく。

その後シミュレーションパートでは、スタッフをそれぞれ監督、脚本、作画監督……といった各役職に配置し、実際にアニメの制作を行なわせる。ちょっと目を離すと海外に逃亡するアニメーター、どーでもいいようなカットに延々とリテイクを出す作画監督、あまりに前衛的で誰にも理解できないような作品を作りたがる監督などをうまく管理しながら、アニメを制作していく。あまりに制作状況が過酷だとクオリティが下がり、スタジオ内で伝染病が流行して死屍累々状態になったりしてしまう。そこでアイテムを使ったり、他の制作現場から助っ人となるスタッフを拉致してきて自分の現場の危機を回避したりしながら、制作費と納期を気にしつつアニメを完成させることになる。どうしてもスケジュールがやばいときは海外に下請けさせることが可能だが、そのときはクオリティがピーになるとか登場人物の肌の色を全部緑色に塗られるとか、かなりやばいネタも入っている。あまりに劣悪なクオリティとアフレコ時に声優が暴動を起こすこともあるらしい。

ゲーム中ではTVシリーズと劇場版の2種類のアニメを制作することができるが、やはり最初はTVシリーズから始めるのがいいようだ。そうやって地道に資金を増やしつつスタッフの能力を上げるまで劇場には手を出さないのが無難っぽい。スポンサーからの無理難題をかわしつつ、26話最後まで制作できるか? あと注意しなければならないのが“萌え”パラメーター。制作傾向で“萌え”方面の作品を作ると売り上げは上がりやすいのだが、そういうのばかり作っていると、アニメーターが魔法少女になって失踪したりとか様々なトラブルが発生するとか。

アニメが完成しても喜んでばかりはいられない。それをいかにうまく売るかの作戦が必要になってくる。六本木ヒルズでの制作発表、芸能人声優を呼んできての話題作り、魔都アキバーラのメイド喫茶でDVD発売記念イヴェント、フィギュア付き初回限定DVDの企画……。作品の傾向にあわせたプロモーションが必要とされる。
はたしてI.Gは、“スタジオジゴロ”(!)に牛耳られたアニメ業界のシェアを奪うことができるのか? そしてその後に待っている、海の向こうからの刺客に対抗することはできるのか?

またネットワーク対戦機能も搭載しており、この場合は、なぜかアニメスタジオ内でサヴァイヴァルゲームをするFPSとなる。この場合、他のプレイヤーとスタッフを奪い合うことも可能になる。

Windows版
OS Windows XP Professional 64bit edition
Windows XP 2003 Server
Longhorn
CPU Athlon64 3000+以上(Intel系不可)
デュアルCPU以上推奨
HDD 4G以上(要RAID5)
メディア Blu-Ray Disc 1枚
グラフィック PCI-Expressのグラフィックカード推奨、要メモリ256M以上
サウンド マザーボードにスピーカーを繋ぐ必要あり
ネットワーク 音響カプラ(マルチプレイ用)
その他 P/ECE対応
PC-FXGA対応
初回特典 オリジナルアニメ収録のVHD
焼酎
XBOX版
発売中止。XBOX版オリジナルの追加キャラは、PS2で二種類発売されるヴァージョンの一方に収録
PlayStation2版(オリジナル追加キャラの違う2バージョンが発売)
PlayStation BB Unit専用(HDDたくさん使用)
横置きスタンド専用
和太鼓型コントローラー対応
PSPにデータを移行するには512Mのメモリースティックが必要
特典にI.G社史の掲載された小冊子(マニュアルプロテクト兼用)
Dreamcast版
GD-ROM(両面二層)8枚組
ゲームデータの保存にビジュアルメモリ8つ必要
ぷるぷるパック対応
ドリームキャストキーボード対応
ドリームキャストガン対応
マラカスコントローラー対応
ドリームキャストカラオケ対応
GD-ROMにはDreamPassport5(Geckoレンダリングエンジン搭載)付属
初回特典に抱き枕付属
DVD-PG版(18禁)
DVD片面一層10枚組
初回特典にトレーディング等身大フィギュア付属

価格 各9800¥€$

その他PC-Engienスーパーグラフィックス版、レーザーアクティブ版、Jaguar版、FreeBSD版も発売予定。MSX版とX680x0版については移植スタッフのボランティアを募集中。パスワードを利用することによって自分が育てたスタッフを別機種に移行できるシステムもある。だがMac版だけは死んでも出さないらしい(APPLE IIでは可能性ありとのこと)。

で、このゲーム『I.G.G.G(イガガガ)』の発売日だが、「今日は発売日前日。ただし明日も明後日も発売日前日」と書かれていた。