スポニチ Sponichi Annex ニュース 芸能 押井監督 実写とアニメで“立ち食い史”
「機動警察パトレイバー」「攻殻機動隊」などで知られる世界的アニメ作家・押井守監督(54)が、新たな映像表現に挑んだ最新作「立喰師列伝(たちぐいしれつでん)」が完成した。自ら「ライブメーション」と名付けた、ライブ(実写)とアニメを融合させた手法。「誰も見たことのない映画になる」と豪語する自信作だ。
カンヌ国際映画祭のコンペ部門に選出された「イノセンス」(04年)で、セル画アニメの表現を極めた押井監督が、さらなる新機軸を打ち出す。
ライブメーションとは、アニメの原点といわれる日本で生まれた紙人形劇が原型。登場人物や背景のデジタル写真をコンピューターに取り込み、CG化し、組み合わせて動かすことで、立体的なアニメ映像を生み出す技法だ。
その新感覚映像を表現するために選んだ、立ち食いというテーマも斬新。戦後間もない東京でオープンした立ち食いそばから、ハンバーガーショップ、牛丼チェーンなど、今や日本の食文化の一翼を担う“ファストフードの昭和史”が、日米安保、東京五輪、大阪万博などの世相を絡めて描かれる。
一食を得るために全知全能をかけるプロの立喰師と店主との戦い、いわゆる食い逃げとその阻止をめぐる攻防がストーリーの軸。「うる星やつら オンリー・ユー」(83年)など、初期の押井作品の特色でもあるコメディー色の強い内容となった。
「月見の銀二」「ケツネコロッケのお銀」ら時代ごとに登場するキャラクターもユニークで、「ローレライ」の樋口真嗣監督(40)、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー(57)ら、親交のある著名人も立喰師役で“出演”。世界からの注目も集めそうだ。4月公開予定。
現在渋谷シネクイントでは予告編が公開されているとのこと。
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