4gamer.netに掲載されている『ハーツ オブ アイアンII ドゥームズデイ』のリプレイ記事が面白くて、つい読みふけってしまった。
史実を知っている人間からすると「ありえねー!」という展開が出てくる。プレイするたびに他国の情勢が違うようなので、それに翻弄されるプレイが実に楽しそうだ。時間があれば、是非プレイしてみたいが……。
史実を知らない人間からすると、何が面白いのかよく理解できないだろうが、例えば……。
【4Gamer.net】[週刊連載]ハーツ オブ アイアンII ドゥームズデイ スパイ大・・・戦? 第2回 連載第2回 我ら英国と戦う:ドイツ(後編)
(1941年夏)そこで,ドイツからユーゴスラビアに宣戦布告し,あとの処理をイタリアに任せることにした。爆撃機で軽く偵察したところ,ユーゴスラビア軍の末端には1917年式歩兵も混じっていたから,いかにイタリアといえども単独でなんとかするだろう。
(1944年6月)……ちなみに,事ここにいたってヨーロッパ方面を見てみると,イタリアとユーゴスラビアが戦争していた。何が起こっているのか2秒くらい理解できなかったが,ソビエトの降伏でシベリアからベルリンに自動で送還されていた部隊があったので,彼らをユーゴに投入したところ,戦争は2週間で終わった。 ユーゴスラビアもパルチザン活動が煩わしい土地なので,占領地はすべてイタリアに譲渡することにした。どうもイタリア軍に戦闘させること自体,間違いだったようだが,戦後の管理ならきちんとやってくれるに違いない。
ちなみにかなりどうでもいいことだが,ここで最終的なヨーロッパはこうなった,というスクリーンショットを撮ろうと思ったら,ユーゴスラビアでは1プロヴィンスがパルチザンの手に落ちていた。……もう何も言うまい。
「イタリアは弱い」というのは世界の軍事常識(?)ですが、ここまでとは……。
【4Gamer.net】 - ハーツ オブ アイアンII 世界ふしぎ大戦! - 週刊連載 第6回:自由にして独立した国家として(アメリカ)
さらにここで,「神の一手」がドイツを襲う。ジェット戦略爆撃機(当然ながら,現実の第二次世界大戦中には実現しなかったシロモノ)に積み込まれた「リトルボーイ」が,ベルリンにきのこ雲を湧き上がらせたのである。ベルリンは総統官邸もろとも機能を停止し(政府要人がいなくなったりはしないが),すべてのICと生産能力が失われた。
だが,それでもドイツ軍は中国戦線で執拗な抵抗を続ける。かくしてアメリカは2度目の「神の拳」を振り上げた……今度はヒューストンから発射された1発のミサイルに搭載された核弾頭が,バクー上空で炸裂したのである。 石油生産力50のバクーを一瞬で焦土にされたドイツ軍は,主力である機械化歩兵の補給を絶たれて崩壊した。
原子力戦艦も作ってはみたが,なにしろ技術開発が終わったときには,世界中探しても海戦してくれる相手がいない。原子力戦艦で通商破壊とか,もう何をしてるやら。世界一硬い拳を鍛え上げたはよいが,そのころには振り下ろす先がなかったという始末だ。
第二次大戦ではジェット機の開発が遅れていたアメリカですが、ジェット爆撃が核爆弾を……というのはまだいいとして、第二次大戦でヒューストンがICBM発射基地になってるし! フォン・ブラウンがドイツに残っている状態のアメリカが、ここまで独力でロケット開発をしていることになるんですが。
【4Gamer.net】 - ハーツ オブ アイアンII 世界ふしぎ大戦! 第5回:世界は我々を軸にして回る(イタリア)
……ここまでで察してもらえたかもしれないが,今回のプレイの基本方針は「イタリアは弱いのだから,もっと弱いところとしかケンカしない」ことである。
ここでギリシアに宣戦布告したら,なんとトルコから宣戦布告が。理不尽な戦争を仕掛け続けたせいか,イタリアは悪名高くなり,ヨーロッパ情勢は緊張の度合いを強めている。トルコ海軍とイタリア海軍の海戦だの,トルコ陸軍が北アフリカに上陸してイタリア領を占拠して回るだの,プレイ開始後数年にして,もう奇妙奇天烈ワールドに踏み込んでしまったが,売られたケンカは買わねばならぬ。正面から叩き潰そうではないか。
対イギリス正面にフタをして,対ソ戦の準備も万端,あとはドイツ様がフランスを懲らしめてくれるのを待つばかりになったところで,さらにすっとんきょうなニュースが舞い込む。なんでも,ルーマニアがドイツに宣戦布告したという。
ルーマニアが落ち着いて,ドイツがデンマーク・ベルギー・オランダ・ルクセンブルクに宣戦布告したあたりで,またもや椿事が発生する。今度はチェコスロバキアが対独宣戦布告である。いったいもう,何がなにやら。
イタリア軍は(占領したトルコから)着実に南部ソビエトに食いこみ,バクーおよび南部工業地帯を陥落させた。ソビエトの受けた経済的ダメージはいかほどのものか! イタリア軍としては大戦果である。と,喜んでいたのもつかの間。ドイツ軍,とにかく下手。なんというか下手。あり得ない機動と作戦展開で,次々に自分から包囲され,撃破されていく。こんな電撃戦があったものか。
ドイツ軍は南方で大突破に成功するも,北方では逆に赤軍の突破を許してしまう。うーん,何やってるんだか。さらにはなんと,グデーリアンの率いる機甲部隊が包囲殲滅されるという悲劇まで。
ドイツ軍を援護すべく,イタリア陸軍が北上を開始。ふがいないドイツ軍に代わってあちこちで赤軍を打ち破り,モスクワを陥落させる。……イタリア軍強いじゃん。 しかしそのころ,またしても得体の知れない破滅の足音がヨーロッパに近づいてきた。スペイン共和派(反フランコ側)が突然の対独宣戦布告。いや,この展開自体はよくあるのだが,今回はドイツ軍が消耗しすぎていて,スペイン軍の前進をまったく止められない。しばらく東部フランスでもみ合った後,あろうことかスペイン軍が突破に成功する。 イタリア軍としてはこれを許すわけにいかないので,ぜひとも軍を派遣したいと思ったものの,東部戦線はとても軍の引き抜きを許す状況ではない。まぁドイツがなんとかするでしょ,腐ってもドイツ軍なんだし,と思って見ていたら,なんとスペイン軍がパリを解放するところまで行ってしまった。さすがにこれは異常だ。というか,東部戦線でもさっきからドイツ軍の姿を見ない。いくらなんでもおかしくない? と思ってデータを確認……ドイツ陸軍が合計でたったの35個師団。そのうえ機甲師団は0。えー,もしもし,これはどこのイタリア軍ですか?
「弱い」イタリアでプレイして、イタリアがギリシャやトルコを占領。ドイツの堂々たる同盟国としてロシアに進撃したら、イタリアではなくドイツが弱すぎたという悲劇。
ところで話は逸れるが、『ヒトラー~最期の12日間~』に「エクステンデッド・エディション<終極BOX>」なるものがいつの間にか発売されていた。初回の「スペシャル・エディション」は購入してしまっていたのだが、やはりこれは買うべきだろうか。ドキュメンタリー映像も追加されているし……。
散財者
「スペシャル・エディション」を持っているのに「エクステンデッド・エディション」も買ってしまった馬鹿者ですが,後者はカットされたシーンを追加してドイツで二夜に分けてTV放映されたバージョンで「劇場版では端折られていた,脇役達のエピソードが追加されている」「しかしTV用ソースのためか画質が荒くなっている」「ドキュメンタリーディスクは大幅増量されていて,インタビューされた役者の数が増えているのと地下壕の解説映像が加わっている」「解説書は追加シーンの内容が主」といったところで,「スペシャル・エディション」を置き換えるものではありませんでした.個人的には両方買うのが正解のように思います.
散財者
Uボートほどのボリュームの差はないですが,一見しただけで違いはわかりますね.ドイツ映画ではよくあるやり方なのかも.ちなみに画質はスペシャル・エディションのドキュメンタリーディスク並でした.
もう一つ大きな違いがあったのを忘れてました.「スペシャル・エディション」では日本語音声が選択できましたが,「エクステンデッド・エディション」では日本語字幕のみです.また,「エクステンデッド・エディション」はレンタルもやっているようです.