4月20日、町田の都営住宅に銃を持った暴力団員が立て篭もり、発砲するという事件がありました(この記事を書いている段階で未解決)。TBSニュースバードなどでは、現場上空のヘリなどからその模様を実況していました。
先ほど、シールドや背中に「SIT」の文字が入った隊員が、犯人が立て篭もっている部屋に接近していくようすが見えました。そう、丸見えだったんです。
つまり、犯人がTVをつけていたら丸わかりということです。部屋に接近していた隊員はその後後退しました。もしかしたら「TVで丸見えだぞ!」と無線で警告されたためかもしれません。指揮官がTVを見たら当然そう言って後退させるでしょう(警官が近づいているのを知っただけで、犯人が逆上しかねません)。たとえマンションの電源を落とすことができたとしても、犯人は電池式のラジオなどで情報を得ているかもしれないし、もしかしたら共犯者がいて外から携帯電話で状況を教えているかもしれない。まともな指揮官なら、こんな状況で部下を行動させて不用意に危険にさらしたくはないでしょう。
阪神淡路大震災の時とか福知山線脱線事件の時などには、「マスコミのヘリがうるさくて、瓦礫の下に隠れた生存者の声が聞こえない」という声が何度も言われました。そして現在マスコミのヘリが、警官の命を危険にさらしています。
先日、たまたま調べ物で、民間機の飛行を制限するための法的根拠は何かと思って航空法を調べてみました(参考 航空管制運航情報官 航空法のツボ)。航空法には、飛行禁止空域についての法律があります。
第80条 航空機は、国土交通省令で定める航空機の飛行に関し危険を生ずるおそれがある区域の上空を飛行してはならない。但し、国土交通大臣の許可を受けた場合は、この限りでない。(法令ユビキタスより)
飛行禁止空域を定めるためには、今までは国土交通省が一々告示しなければなりませんでした。それ以外には、ノータムによる飛行注意喚起や自粛要請というものしかなかったようです。でも911テロで「さすがにこりゃまずい」と遅まきながらに気がついて法律が改定されました。
第173条 法第80条の規定により航空機の飛行を禁止する区域は、飛行禁止区域(その上空における航空機の飛行を全面的に禁止する区域)及び飛行制限区域(その上空における航空機の飛行を一定の条件の下に禁止する区域)の別に告示で定める。ただし、緊急に航空機の飛行を禁止する区域を定める必要があるため、告示により当該区域を定めるいとまがないときは、国土交通大臣は、その必要な限度において、告示をしないで、飛行禁止区域又は飛行制限区域を定めることができる。(法令ユビキタスより)
ですが飛行禁止もしくは制限区域を定める権限があるのは国土交通大臣です。これで、緊急事態への対処に十分と言えるのでしょうか? 地方警察などがもっと積極的に飛行制限を定める(あるいは設定を求める)ことができるべきでは? もっとも、取り敢えずはマスコミがいちいち出しゃばってこなければいいんですが……。
偉そうに書きましたが航空法などについてはにわか勉強なので、もっと詳しい方がいらっしゃいましたらご教授いただけると幸いです。
コメント