森博嗣原作、押井守監督、プロダクションI.G制作による最新長編アニメーション『スカイ・クロラ』が正式発表された。『スカイ・クロラ』は架空のヨーロッパの戦場でレシプロ機に乗って戦う、日本人パイロット集団の話だということである。
記者会見には「今日はブートキャンプの人が来日すると聞いたから、こんなに記者の人が来るとは思っていなかったけど(笑)」などと言いながら押井氏が登場。「若い人たちに語りたいことがある」というキャッチについて押井氏は「未だに自分のことだけで一杯一杯なので、別に説教したいとかいうことではない。ただ『生きるのはつらいことだ、だけど不幸になることもあわせて人生の醍醐味だ』と言いたい」などと語っている。
また、今までに何度も「新作は恋愛映画」と言われているが、今回押井氏は濡れ場もコンテに入れ込んで、周りのスタッフから「どうしたんだ?」と言われたとか。
『イノセンス』の時に駆使したCG技術については、今回はそれほどとがった使い方はしていないものの、CG背景を廃するということもしていないという。またレシプロ戦闘機の空中戦についてはCG処理をふんだんに利用するということで、「宮さん(宮崎駿)よりもいい空中戦を描く自身がある」と発言している。
リリース資料には、
監督は本作について、「近年培ってきた演出方法を封印する」と宣言。今回は「より娯楽性の高い作品にしなければならない」と、あえて自身は原作と距離を置き、「世界の中心で、愛をさけぶ。」(04)、「春の雪」(05)で、若者の繊細な心情を見事に表現した新鋭の脚本家・伊藤ちひろを大抜擢。押井作品に見られる長い台詞は一切無く、キルドレたちのドラマが若々しい完成で表現されている。
とある。「押井作品に見られる長い台詞は一切無く」というのは、当サイト閲覧者にとっては少々寂しいのではなかろうか(もっとも似たような宣伝文句は以前にも聞いた気がするので、実際に見てみないと信用できないという人もいるだろうが……)。
スタッフは、脚本は前述の通り伊藤ちひろ。音楽はいつものように川井憲次。作画監督は西尾鉄也が一人で担当。美術監督は永井一男。演出は西久保利彦、メカニックデザインは竹内敦志。
公式サイト
現在公式サイトでは特報を公開中。こちらは7月20日より劇場公開される『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』公開時に劇場にて上映されるとのことだが、公式サイトを見ればわかるとおり、空しか出ていない(この雲の処理は大変だったそうだが)。
また携帯サイトも公開されている。メニュー→テレビ→日テレ→スカイ・クロラ
プレスリリース(押井守コメント付き、PDF)
日本テレビ プロダクション I.G提携作品 『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』(監督:押井 守)製作決定のお知らせ
YOMIURI ONLINE 押井守監督に聞く 新作アニメ「スカイ・クロラ The Sky Crawlers」
asahi.com コミミ口コミ 鬼才・押井守、次回作を熱く語る
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