最近になって提案されているクローキング技術には、特殊なメタ物質を利用するものがある。この物質は光の拡散、反射、吸収などにより光が目標物に到達するのを防ぐことで、対象物を隠ぺいするとされている。2006年にデューク大学で電磁気クローキング方法のデモが行われ、部分的に物体を隠ぺいできることが実証された。
ただし、隠すことができる光の波長はまだ狭い範囲であり、人間の見える範囲をすべてカバーするには至っていない。また、この隠ぺい技術は双方向であり、相手から見えないということは、隠される側からもまた見えないということであり、実用性には問題が出てくる。
チェン氏らの「アンチ・クローキング」は、クローキング側の屈折性物質にインピーダンスを合わせた異方性の反屈折性物質を組み合わせる、という方法。クローキングされた物体は、そこに到達する光を曲げてしまうので内側からも不可視の状態になるが、アンチ・クローキング用物質をクローキング物質に押し付ければ、そこから外を見ることが可能になるという。
この手法を使うことにより、「透明マント」に隠れたハリー・ポッターや「光学迷彩」を起動した草薙素子は外に敵がいるかどうかを知ることができるというわけだ。
EC(電子戦闘)にはECM(電子妨害)、ECMにはECCM(対電子妨害対策)。装甲には成形炸薬弾。成形炸薬弾には爆発反応装甲。爆発反応装甲にはタンデム弾頭。矛と盾の戦いは永遠に終わりません。
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