航空自衛隊松島基地は、地震による津波をもろにかぶって、F-2戦闘機18機を含めた航空機28機が水没。機体は海水に浸かり、一部は建物に激突。飛行場には流されてきた土砂が堆積し、航空管制能力も失われました。
その松島基地を津波から「奪還」する作戦が、アメリカ特殊作戦群によって行われたそうです。
Special-ops Airmen open strategic runways for relief operations
私のいい加減な英語力での解読なので翻訳に間違いがあるかもしれませんが、この記事によるとまず3月16日、嘉手納基地に司令部を置く、第353特殊航空群第17特殊作戦航空隊のMC-130P コンバット・シャドウ特殊作戦輸送機が松島基地を上空より偵察。地上管制もなく滑走路も散乱物で危険な状態でしたが、約40分後にMC-130Pは着陸。直後、松島基地と仙台飛行場を復旧するための機材と車両を積み下ろしました。その1時間後、第320特殊戦術中隊の戦闘航空管制官が臨時の航空管制を確立。
一方仙台空港には、陸路で米軍と自衛隊の合同チームが向かい、数時間後には飛行場の使用できる箇所をマークして航空管制を確立し、MC-130H コンバット・タロンII特殊作戦輸送機が着陸して機材を搬入。
その後松島基地飛行場と仙台空港は復旧され、現在は米軍や自衛隊の輸送機が着陸し、支援物資等を搬入しています。
戦闘航空管制官(Combat controller)は、整備されていない飛行場で航空管制を確立するのが任務だそうで、第353特殊航空群はサイトによると災害派遣、人道支援を任務とする部隊ということであり、麾下の第320特殊戦術中隊も戦闘捜索救難などのための着陸地点確保及び管制を行うということですが、「特殊」の名がついていることから考えてもほぼ間違いなく「敵に占領された状態などにある飛行場を制圧した後、すぐ味方が使えるようにする」作戦の応用でしょう。今回はその飛行場にいた「敵」が、津波による破壊と障害物でした。弾を撃ってくることこそありませんが、荒れた飛行場への着陸時に降着装置のタイヤがパンクしたかもしれませんし、飛行場に散乱したゴミを吸い込んでしまって飛行機のエンジンが破壊されたかもしれません。彼らの勇気と技術には、感服するしかありません。
この記事作成にあたり、CAPITO氏のツイートにあった岡部いさく氏による訳と情報を参考にさせていただきました(というかほぼそのまんまですが)。
朝雲ニュース 東日本大地震 松島基地の機能回復 津波被害 不眠不休で修復 蘇った“命の滑走路” 救援活動フル回転へ
こちらの記事に、自衛隊側の動きがよく書かれています。米軍のMC-130P着陸前に、自衛隊員によってある程度滑走路は片付けられたようですが、それでも先の米軍記事によると、滑走路はかなり危険な状態だった模様です。
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