PlayStation Portableの後継機であるPlayStation Vitaが今月17日に発売されます。
PlayStation VitaにはUMDドライブが搭載されておりません。以前からソニーは、ダウンロード販売を拡大させたいという狙いもあってUMDからの脱却を図り、PSPからUMDドライブを廃し、小型軽量化したPSP goを2009年11月に発売しました。ところが、当初予定されていた「UMDのゲームを持っていれば、PSP goにもダウンロードして遊べる」という機能は導入を見送られ、PSPの新作ゲーム全てがダウンロード販売されるわけでもありませんでした。しかも、PSPの大きさに不満がなければ、わざわざPSP goに移行する必要もありません。
結局、小型軽量化というメリットよりも多くのデメリットを抱えてしまい、おまけにPSPよりも価格が高くなってしまったPSP goは、値下げしても旧型のPSPより販売台数が振るわず、2011年前半にて早々に生産終了となってしまいました(現在は逆にPSP goは希少になってしまったせいか、相場では定価よりも高い値が付いているようですが)。
一方、PSPの後継機として発表されたPlayStation Vitaも同じくUMDドライブを廃止しましたが、「UMDのゲームを持っていれば、ダウンロード版が安く購入できる」というUMD Passportサービスを発表(全てのPSPゲームが対応しているわけではありませんが)。またPSPよりも高性能なVitaの特性を生かしたVita専用ゲームも発表されているため、Vitaの発売前評価は比較的高いようです。とはいっても、UMD Passportを利用するためにはUMDドライブ搭載のPSPが必要であるため、旧PSPも当分は発売されますし、UMDメディアのゲームもしばらく存続するでしょう。2012年発売予定のPSPゲームも発表されていますし、ショップにもUMDゲームは当分残るのは確実です。むしろUMD Passport対応ゲームが増えれば、中古市場が賑わうかもしれません。
その一方で、早々に忘れ去られ消滅しようとしているのがUMD Video。「PSPで、いつでもどこでも映画が見られる」というUMD Videoでは、ワーナー、20世紀フォックス、そしてソニーピクチャーズなどから映画ソフトが発売され、ワーナーは定価980円という低価格でソフトをリリースしていました。でも2009年にはほとんど途切れてしまい、ソニーピクチャーズからですら、2010年12月のバイオハザードIV アフターライフがUMDビデオ最後のソフトになっています。
アニメの方面では、バンダイビジュアルがUMDビデオサイトを立ち上げ、パトレイバー劇場版など過去の人気作を中心として積極的にソフトを発売しておりましたが、2010年11月の装甲騎兵ボトムズ 幻影篇 6巻が最後になっています。バンダイナムコゲームスからは、PSP用ゲームとUMDビデオが同梱されたAKB1/48 アイドルと恋したら…が2010年12月23日に出ていますが、恐らくこれが最後。現在はPlaystation Storeから映画を直接PSPにダウンロードして、時間制限付きながら再生できるようになっているため、UMDビデオの新作が発売されることももうないでしょう。「パッケージが欲しい」という心理が特に日本人は強いようですが、小さい画面でしか再生できないUMDビデオはパッケージとしても魅力に欠け、ダウンロード再生に敵わなかったということでしょうか。つまり2010年で、すでにUMDビデオは終わっていたのです。
……と書きたいところだったのですが、アダルト方面ではまだまだUMDソフトが発売されていました。amazonで検索したら、アダルトUMDビデオは2012年発売予定のものを含めて1,056本ヒット。一方、一般向けUMDビデオはAV Watchで検索したところ358本のようです。なぜアダルトUMDビデオが出続けるのか? 一説によると「出張先のホテルで、ひとり時間を潰すのに都合がいいから」だそうですが……。Playstation Storeでは18禁ビデオは取り扱っていないこともあって、もう暫くアダルトUMDビデオは発売されそうです。
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