『ガルム戦記』が“The Last Druid: Garm Wars”として復活。押井守が監督、英語の実写映画として制作

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押井守監督の次回作が“The Last Druid: Garm Wars”というタイトルで、英語の実写映画としてカナダで撮影されると、“The Nakamura Group Advantage”というカナダの会社から月曜に発表があった模様です。かつて企画されていた『G.R.M. Record of Garm War(ガルム戦記)』が『The Last Druid: Garm Wars(邦題未発表)』と名前を変えて、ついに復活する模様です。まだ何もありませんが、公式サイト予定地もあります。

Taking place in a world of war known as Annwn, Garm Wars sets the scene with clone soldiers from 3 military tribes, in a bloody and perpetual battle of air, land and technology. One clone, Khara, finds herself separated from battle and on the run with unlikely companions. In seeking to know more about their joint existence, the fugitives instead find an unrelenting truth and the greatest battle of their lives.

ガルム戦争(Garm Wars)では、アンヌーン(Annwn)として知られる土地において、空で、地上で、さまざまな技術をめぐり長年戦いが行われ、3つの部族のクローン戦士が血を流していた。クローンの一人、カラ(Khara)は戦闘からはぐれ、思わぬ仲間と共に逃走中であった。自分達は何者かということを知ろうとするうちに、逃亡者は容赦のない真実と、彼らが生きてきた中での最大の戦いに見舞われる。(翻訳編者)

プレスリリースにあった押井守監督のコメントを引用します。

“For me, Garm Wars is a film that I've always wanted to turn into a reality. I started planning this work right after the release of Ghost in the Shell some 15 years ago. But unfortunately, at that time, the digital environment need to realize the visuals was too undeveloped, and I was unable to create and release this film to the world. However, now in 2012, the environment for producing films has transformed, especially in digital technology which is currently operating at a shocking level compared to the time I first conceived this project. At long last, Garm Wars' time has come. Fifteen years later, I'm eager to once again tackle this work with a new staff and cast. Best of all, making an English language film with actors active in English-speaking countries is a big adventure for me and I'm hoping for great results.”

「私にとって『ガルム』は、常に実現したい映画でした。私は約15年前、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』のリリース後に計画を始めました。残念なことに、当時デジタル環境は、リアルなビジュアルを実現するには未発達であり、私は世界に映画を送り出すことができませんでした、しかし2012年になって、映画制作の環境は、私がこの企画を思いついた当時に比べて劇的なレベルで進化しています。とうとう『ガルム戦記』の時が来ました。15年後になって、私は新たなスタッフ、キャストと共に、この仕事に取り組もうとしています。何より、英語圏の国で英語の映画を作ることは私にとって大きな冒険で、大きな結果を残すことを望んでいます」(翻訳編者)

また、プロダクションI.G社長の石川光久氏もコメントしており、15年たって機は熟したと語っています。

元々『G.R.M. Record of Garm War(ガルム戦記)』は2000年の公開を目指し、制作費80億円とも言われていた映画で、ケルト神話をモチーフにしており、一世紀に一度、月の裏側から正体不明の敵が地球への攻撃を繰り返しており、地球は疲弊しているという世界観の中での物語だったということです(イノセンス 押井守の世界 PERSONA増補改訂版などに記載)。しかしパイロットフィルムが数本作られたのみで計画は頓挫(その一環として、実写版『機動警察パトレイバー』パイロットフィルムも制作されました)。結果として、培われた技術を流用し、しかしストーリー的には全く異なる映画として『アヴァロン』が制作されています。

当初『ガルム戦記』は、脚本に伊藤和憲氏、特技監督に樋口真嗣氏、デジタル監督に林弘幸氏が就任するということでした。ですが今回の“The Last Druid: Garm Wars”のスタッフがどうなるかは現在の所発表されていません(なお10月11日に行われた『サイコパス』のトークショーで押井氏は「(次回作は)I.Gで作るけどほとんど外人部隊、いつもそうだったけど今回はその際たるもので、外人の外人」「アニメかというとアニメじゃない」と語っています)。またプレスリリースでは、公開時期についても触れられていません。

押井守メールマガジンによると、2013年公開、脚本は『Fangs of War』を担当したジェフリー・ガン氏だそうです。

2014年公開でした。

『ガルム戦記』については、本来未完に終わった『セラフィム 2億6661万3336の翼』から流用するつもりだったということですが、どのみちどちらも日の目を見ていないので、当初の構想通りに進む可能性は高いのではないでしょうか。

以下は、2000年公開を目指していたときに制作されたデモ映像。