「009 RE:CYBORG」は押井守に届かなかったラブレター(エキサイトレビュー) - エキサイトニュース
「今回の『009』はそもそも押井さんが監督して、僕が脚本を書くということが早い段階で決まっていた。なので、最初は押井さんへのリスペクトというか、ラブレターのつもりで書いたわけです」
『アニメスタイル002』で、『009 RE:CYBORG』の監督である神山健治はそう語りました。「今回は「提示された脚本で撮りたくない!」という感情だけで、脊髄反射で全部ひっくり返した。味方をしてくれている高橋さんに対してさえ「そもそも『009』の企画を自分にもってきたこと自体が間違いである!」と一喝しはじめたわけです(笑)。で、今更009が普通に出てくる話をやっても意味が無い!と言い放った上で、自分のアイデアを滔々と述べ始めた。ギルモア博士は死んでいて、イワンは犬に脳を移植している。他のメンバーもみんな死んでいて、フランソワーズは58歳だと」
「俺もラブレターのつもりで書き始めておきながら、結局自分が撮りたい映画の脚本を書いていたんだ、と。それはどうやら押井さんが撮りたいものではなかった。そんなわけで、この場を収めるには、もう俺が降りたほうがいいと思ったんですね。残念だけど、このホンを書き上げたことで俺はとりあえず満足だから、もう押井さんがすきなようにやったほうがいい、と」
「そしたら押井さんが「えっ、なんで降りるんだよ。やってよ!」とか言うわけ。いやいやいや、もう意味分かんねえよ!(笑)」
こちらなどでは脚本についてだけ語られていますが、前にも書いたとおり押井氏はメールマガジンでは、とにかく3Dシェーダーでやることを嫌ったとしていて、それを『009』から降りた主要理由のように上げています。
ちむぞう
意図した事でしょうけれど、従来の押井映画のリスペクト(と言うか「踏襲」)を感じました。
あれだけの内容を盛り込むには時間が足りなかった為に、中途半端で唐突な幕切れでしたが、久しぶりに綺麗なアニメを見たと思いました。
ultima ratio
VAPに問い合わせたところ、『009 RE:CYBORG Blu-ray BOX 豪華版』の3D本編ディスク収録の「パナソニック 3D体験コーナーPV」と言うのは、「パナソニックのテレビが販売されている家電店で流れていた店頭用PVで、押井守監督版ではありません。」との回答でした。