韓国実写版『人狼』制作報告会見

韓国実写版『人狼』カン・ドンウォン、40キロの衣装で熱演

 アニメ版は戦後の日本が舞台だったのに対し、実写版は南北統一を控えた近未来の韓国。ジウン監督は2029年に設定した理由を以下のように語る。「韓国は北朝鮮と対峙する世界唯一の分断国家です。ある意味、南北統一を控えた混沌の時代というのはSFとして成立するのではないかと。とはいえ、現在を基準に未来を予測せねばならず、それが10年後であれば現実味があると考えました」と説明したが、シナリオ執筆当時は昨今の南北関係の進展を予想しておらず、韓国、北朝鮮を巡る現在の状況に驚いているという。

 実写版と原作アニメとの違いについてジウン監督はこうもアピールする。「原作には独歩的なムード、虚無的な世界観があります。原作にはない拳での殴り合いなどアクションを追加した部分もありますが、実写というフィルターを通して自分のスタイルの答案を出した気持ちです」

ドンウォンは「『人狼』出演の話は2011年頃にいただきました。興味深い映画だったのでOKしたのですが、クランクインまでに6年かかりました」と笑い混じりに語りつつも、いざ撮影に入ると監督のスパルタぶりに戸惑いがあったという。「特機隊の強化服だけで30キロもあり、武装を含めると40キロ近くになります。最初は動くだけでも大変だったのですが、一週間もすると慣れてきて、僕が動けるとわかると『武装したまま走れ』と言われたり、ジウン監督の要求がエスカレートしてきて……」と重い衣装を身に着けて動くことの困難さを振り返った。

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キム・ジウン監督は「無謀だった。原作が韓国だけではなく、全世界で多くの熱血ファンを確保している。実写映画に対する期待が半分、不安が半分だっただろう。僕も同じだった。成功しても非難され、失敗したらもっと非難される。非難されることからスタートした。なので、他の映画よりも覚悟が必要だった」と伝えた。