押井守による映画評2つ

米国が抱いた最大の恐怖「内部に潜む洗脳者」:日経ビジネス電子版

押井:それで、戦後のアメリカの最大のテーマは何かというと、それはもちろん「冷戦」だよ。その冷戦期のアメリカの最大のテーマといえば、軍事的にはもちろん核の脅威なんだけど、内政的な意味での最大の脅威が何かというと「洗脳」なんだよ。

―「ウィンター・ソルジャー」でも、組織の中に裏切り者が出てきますね。

押井:突然、隣人が共産党員であったことがわかる、とか、共産主義者が組織の中に入り込んでいた、とか。いわゆる「赤狩り」というやつだ。

こちらでは『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』について語っています。

ところでこのインタビュアーは(押井監督も?)知らないようですが、そもそもこの映画の原作となったマーブル・コミックスでは、よく社会問題をネタに使っており(ただ特殊能力ヒーローがドンパチするだけじゃないんです)、映画にもそれが現れているところがあります。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』では原作の時からもっと露骨に“アメリカの政治・思想的分断”ということがテーマとして扱われていました(むしろ映画ではマイルドになったほう)。

ついでに付け加えると、『オデッセイ』で中国が出てきたことについて。これは『オデッセイ』の原作となった小説『火星の人』の時からあるネタです。ただ原作では「救助計画に中国が参加する代わりに、次の有人火星探査に中国人を参加させる」という交換条件があったことになっていて、映画では取引があったという経緯は省略され、ただ画面で次の有人火星探査にアジア系の人間が入っているということで示されています。とはいえハリウッド映画に中国マネーが影響していることは他の色々な映画を見れば一目瞭然ですが。

立東舎コラム 1972年『ラストタンゴ・イン・パリ』編 - コラム

こちらでは『ラストタンゴ・イン・パリ』について触れています。この連載コラムの内容は2020年8月に発売予定の『押井守の映画50年50本(仮)』という本に収録予定だそうです。

週刊文春がアニメ特集 『エヴァ』や新海誠、押井守らのインタビュー収録 - KAI-YOU.net

あと今更ですが。Twitterのほうには書いたんですけど、ローソン限定で11月28日に発売された週刊文春の臨時増刊号『週刊文春エンタ!』に押井守インタビューが掲載されているとのこと。