機動警察パトレイバー『暴走トークショー』レポート

制作スタッフが語るぶっちゃけ制作秘話!機動警察パトレイバー トークイベント『暴走トークショー』レポート | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス

11月13日に行われた『機動警察パトレイバー』のスタッフトークイベントの内容が、かなり詳細に書かれております。登壇者はリーズ構成・脚本の伊藤和典氏、プロデューサーの鵜之澤伸氏、またメカニックデザインの出渕裕氏(体調不良となったプロデューサーの真木太郎氏に代わって)。

そして、話は生臭い制作予算に及ぶと1話1000万円と値切ったことが明らかになり、伊藤が「真木さんは1500万円って言ってた」とツッコミが入るが、鵜之澤は「覚えてる!間違いない!俺は絶対忘れない!」と欠席している真木との記憶違いで会場が盛り上がった。当時のOVAの平均制作予算(2000〜2500万円)を考えると破格であったことがわかり、鵜之澤商法の手腕が発揮されたことは言うまでもない。その後も金額に触れる話が飛び交ったが、生々しいのでここまでにしておこうと思う。

現在発売されているBD/DVDなどではカットされていますが(ものによっては映像特典で入っているかも?)OVAの中にCMを入れるなんてことまでやっていたんですよね。

『機動警察パトレイバー the Movie 』

HOSなどコンピューターの根幹に関わるストーリーについて、ご自身でも調べたのかという質問に対して、伊藤は「絵コンテの時点でプログラマーの人にチェックしてもらった。構想段階ではコンピューターの知識は自分で。当時、マッキントッシュにハイパーカードというものが実装されてて、ハイパーをつけたらなんでもすごい感じがしていた時代なんです。そんな軽いノリで書いていました」と会場から笑いがおきる。出渕は「1000万じゃ…誰も動かないじゃないですか。そのフラストレーションから映画にかけていましたね。僕は伊藤さんからレイバーで『大殺陣雄呂血』をやるぞ!と聞かされました」というと、伊藤が市川雷蔵が出ている『大殺陣雄呂血』のクライマックスで、100人斬りする格好いいシーンを真似して、イングラムがガードロボットを倒していくシーンを描いたと語る。

当時は個人PCにHDDが搭載されるなんてことは極めて稀で(めちゃ高かった)、レイバーのOSもディスクに入っていることになっていましたね(もちろんネットワーク経由のアップデートやハッキングという概念もなかった)。

そして当時は、時代の最先端のディスクと言えばMO(光磁気ディスク)という時代でした。