川井憲次インタビュー 押井守との音楽探究

川井憲次に聞く押井守との共同制作。説明不可能な音楽探求の日々 - インタビュー : CINRA.NET

以前紹介した『攻殻機動隊』シリーズ各作品の曲を収録したハイレゾ音源/SHM-CDの宣伝的記事ですが、『トワイライトQ 迷宮物件』『機動警察パトレイバー』なども含めて色々語られています。懐かしの『Kenji Kawai Concert 2007 Cinema Symphony』の映像も。これ、DVDがすっかりプレミア価格になってるな……。

川井:(中略)『紅い眼鏡』の次に『トワイライトQ 迷宮物件』(1987年)というアニメ作品でも音楽をやらせていただいたんですが、そのときはシンセに入っていたスティールドラムの音を使ったんですね。押井さんがそれを聴いて「これ、アリだね。この世界はおもしろい」と言ってくれて、それが(川井が音楽を手がけた押井監督作品)『機動警察パトレイバー the Movie』(1989年)に繋がっていくんです。

川井:もちろん不安はありましたよ。間違った楽器の使い方をしているわけで、全世界に恥をさらすことになるかもしれない。ただ、僕も押井さんも奇をてらったものをやろうという気持ちはまったくなくて。

最初からわけのわからない音楽を作ってやろうという発想があったわけではなくて。まずは民族楽器を鳴らしてみて、そこに別の音を重ねていくなかで、必然的にこういう形になっていったという感覚はありました。押井さんと2人だけでずっと作り続けていくので、ふと我に帰って「なんでこんな音を作ってるんだろう?」と思うことはありましたけどね。