『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』Amazon Prime会員向けなどで無料配信開始

Amazon Prime Video うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー

Amazon Prime会員向けに、押井守監督の出世作『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』が無料公開されています。いつまで無料対象かは不明なので早めに見ておいたほうがいいかと。dアニメストアでも会員向け無料公開対象になっていました。

この『うる星2』は、アニメにおける「ループもの」の元祖として知られています(実写作品では他に前例がありますがが)。その影響は『涼宮ハルヒの憂鬱』『魔法少女まどか☆マギカ 叛逆の物語』などにはっきりと現れています。現在『うる星やつら』の新TVアニメをやっていますが、原作準拠のそちらでは絶対やらないようなテイストの話を『ビューティフル・ドリーマー』ではやっているので、見たことがない人は一度は見たほうがいい作品です。

なおこの映画について「原作者(高橋留美子氏)が怒り、押井守監督との仲が険悪になった」という説がありますが、後に高橋留美子氏本人が否定しています。ただ押井氏によると、この映画の試写のあと高橋氏は「人間性の違いです」と一言言っただけで(発言内容については当時その場にいた人の間で記憶の食い違いがありますが)、すぐに帰ったそうです。その理由はともかく、押井氏はそれを「原作者は気に入らなかった」と解釈して当時のことを語っているのが噂の発端になっており、それに尾ひれがついて「原作者と大げんか」みたいに語られています。後に高橋氏は『ビューティフル・ドリーマー』について「押井さんの映画」「お客さんとして楽しめました」といったコメントを出しています。

ただ、この映画のプロデューサーを務めた落合茂一氏は「よくもこんな『うる星』作ってくれたな」「フィルム持って(公開前に)逃げようかと思った」などと語っており(同氏の回顧録『僕のプロデューサー(秘)かけだし日記』より)、また当時の原作ファンの間にも疑問、狼狽、怒りなどを呈する人々がいたのもまた事実です。そして高橋氏が旧アニメ版に全く怒らなかったかというとそんなこともなく、例えばTVシリーズでキャラクターの踏み絵をするアニメオリジナルの描写があったのですが、それには明確に拒否感を示していました。

ところでこのアニメは『ビューティフル・ドリーマー』ですが、これをモチーフにした押井守監督原案、本広克行監督による実写映画『ビューティフルドリーマー』があります。『ビューティフルドリーマー』に関しては以前下に書かせていただきました。

本広克行監督の映画『ビューティフルドリーマー』は実写版『うる星やつら2』メイキング風映画である

片方が『ビューティフル・ドリーマー』でもう一方が『ビューティフルドリーマー』の表記のため混乱します。