以前、搭乗・操縦できるパトレイバー“イングラム”をベンチャー企業が開発だそうですがという話を載せましたが、その続きが出てきました。
この「パトレイバー実機」を制作しているMOVeLOTが、「パトレイバー実機開発プロジェクト」の「ストーリー」を発表しました。要するに「パトレイバー開発の裏設定」というお話です。
篠原重工から要請を請けたMOVeLOT HEAVY INDUSTRY(以下MHI)は、イングラムをベースにしたテスト機「AV-X30」を開発。すでに退役機となっていたイングラムだが、最新の高性能CPUを搭載することで最前線への復帰が承認された。
AV-X30は128ビットCPUを搭載し、性能のアップデートを目的にデータ取得及び検証を実行。これまでに正規パイロットのデータ取得と検証は終わっているが、不測の事態へのアシストのためには正規パイロットでは考えられないような挙動のデータを収集する必要もある。そのため、不測の事態に備えてドライブアシストを起動するための1,000箇所に及ぶ項目のデータ取得と検証が急務になっている。
ドライブアシストを採用できることで、パイロットの技能や癖を標準化することができ、新人パイロットの訓練期間を大幅に縮小することが期待されている。
しかし、1年の検証期間を経て、MHIが一般人から取得した数万人の搭乗操縦データを元に、ドライブアシストの起動検証を進めているが、残り50箇所の検証が未完了の状態になっている。MHIは篠原重工に検証結果を納品しなければならないが、このままでは納品できず、128ビットCPUのアップデートが間に合わなくなる…。
そこで今回、異例のことだが一般のパイロット候補生に搭乗してもらい、検証を実行する方針に切り替えた。
『“だから遅すぎたと言ってるんだ!”』と言われる前に…
残り50箇所の検証は、両腕両手の操縦項目がメインのため、コックピット内部の構造や操縦方法を簡略化、下半身をパージ。検証期間は1ヶ月に限定して実行する。
正直よくわかりません。『パトレイバー』のどこの続きの話なのか? とりあえず「所詮、二足歩行できる下半身を作るのは無理なので、上半身だけ作る理由をでっち上げました。あとその機体に一般人が搭乗できる設定上の理由も作ってみました」という感じでしょうか。
そして、競争分野がマルチコアだNPUだと言っている昨今のリアルCPU界隈を無視し、“128ビットCPU”という言葉を引っ張り出してくるのが……。いやMOが現役である設定のパトレイバーだからこその「昔の人間が想像した未来っぽい感じ」なのかもしれませんが。
とりあえずこのパトレイバー、9月中旬にお披露目を予定だそうです。
さて、人型ではないが実用的なお掃除ロボットみたいなのを、日本人相手にすらろくに売れなくなった中国にも負けてる日本人が、未だに執着している人間型ロボットへの憧憬については何度も書いているので執着しますが、そもそも“人間型ロボット”は、今でもアニメなどで描かれる素敵な題材なのでしょうか? 2022年には久し振りに『機動戦士ガンダム 水星の魔女』というガンダムの新作が公開され、2024年には「なんで今になって?」と多くの疑問を呈した『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』という劇場作品が公開されました。ではガンダム以外はというと思い切りお寒い状況なのではないかと。パトレイバーの新作『機動警察パトレイバー EZY』は相変わらず情報がないですし、ちょこちょこと新作ロボットアニメの話が出ても、やはり過去作の名前を借りたものばかり。ぶっちゃけ現在のアニメ業界は「なろう系異世界転生もの」の天下です。
とりあえずdアニメストアによるランキングを参照します。もちろんこのランキング=売り上げ・評価ではないですし、dアニメストアで配信していないアニメもあるのですが、アニメ視聴者数を参照するのに一番お手頃だったため参考として。まず2024年6月10日から6月17日のウィークリーランキングだと、
- 転生したらスライムだった件 第3期
- 転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます
- 無職転生Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~
- この素晴らしい世界に祝福を!3
- テレビアニメ「鬼滅の刃」柱稽古編
- 月が導く異世界道中 第二幕
- Lv2からチートだった元勇者候補のまったり異世界ライフ
- 転生貴族、鑑定スキルで成り上がる
- 怪獣8号
- ダンジョン飯
- 魔法科高校の劣等生 第3シーズン
- Re:Monster
- THE NEW GATE
- ゆるキャン△ SEASON3
- 出来損ないと呼ばれた元英雄は、実家から追放されたので好き勝手に生きることにした
- WIND BREAKER
- 僕のヒーローアカデミア 第7期
- 忘却バッテリー
- 魔王学院の不適合者 Ⅱ ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~
- Unnamed Memory
こうなってました。2023年6月から2024年5月の年間ランキングを見ても
- 葬送のフリーレン
- 薬屋のひとりごと
- 呪術廻戦 懐玉・玉折/渋谷事変(第2期)
- マッシュル-MASHLE-
- 無職転生Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~
- 【推しの子】
- 転生したらスライムだった件 第3期
- SPY×FAMILY Season 2
- テレビアニメ「鬼滅の刃」刀鍛冶の里編
- 陰の実力者になりたくて! 2nd season
- ダンジョン飯
- 実は俺、最強でした?
- この素晴らしい世界に祝福を!3
- 俺だけレベルアップな件
- シャングリラ・フロンティア
- 転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます
- 異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する ~レベルアップは人生を変えた~
- 即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。
- 悪役令嬢レベル99~私は裏ボスですが魔王ではありません~
- 七つの魔剣が支配する
こんな感じです。ロボットアニメ、どこ? そして異世界転生もの、俺tueeeチートものの多さが目につくでしょう。
似たり寄ったりの「中世ヨーロッパ風」風景をコピペしても誰も文句言わない(むしろ奇抜な設定は避けられがちの)異世界転生ものに対し、作らなければならない設定から動かさなければならないメカまでとにかく労力がかかるロボットものはコストパフォーマンスが悪いため、というのが大きいと推察できます。
ここまでくると「ロボットアニメに憧れを抱くのはオッサン、老人だけ」という言葉も否定しがたくなってきます。少子化の昨今、趣味にカネを沢山つぎ込むおっさん相手に商売をした方が儲かる場合もあるという側面も否定は出来ないのですが、はたして「日本人の夢、登場型人型ロボット」という言葉をいつまでも使っていて良いのでしょうか?
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