『イノセンス』舞台挨拶関連でいくつか話題に上がっていたので紹介します。
3月2日に『イノセンス』4Kリマスター版が公開され、押井守監督とバトー役の大塚明夫氏によるトークイベントが開催されたのですが、その時に「『イノセンス』の続きを作りたいか」と聞かれました。
押井守監督『イノセンス』続編の可能性に言及「やり残したことがある」条件付きで意欲|シネマトゥデイ
さらに押井監督は『イノセンス』について「簡単にいうと、素子が去ったあとのバトーの物語。とても切ない話。『攻殻機動隊』よりもはるかに情緒的な作品でセンチメンタルな話」と定義すると、司会者からの「『イノセンス』の続編を作ってもいいかなと思っている?」の質問に、戸惑いながらも手にした「〇」の札をあげる。
躊躇したことを司会者に突っ込まれた押井監督は「ちょっと条件があると思った」とつぶやき「実際(第3弾の制作を)やりかけたことがありました。諸事情があって形にならなかったのですが、まだやり残したことが一つだけあるんです。それができるのなら……」と回答する。(中略)
この日は、素子の声を担当していた声優の故・田中敦子さんの思い出話も。押井監督は「田中さんは、アフレコブースに立ってマイクの前に立つと素子になる。それ以外は田中敦子という人なんです」とギャップを明かすと「先ほど『イノセンス』の続編の話が出たとき、条件付きと話しましたが『素子をどうするんだろう』というのも一つにはあります。『イノセンス』のように、素子が魂だけの存在というわけにはいかないし。じゃあ、今度は声なしでやるのって話です。まあ、そういうのもありかもしれません。あくまで仮定の話ですが……」と自らに語り掛けるようにつぶやいていた。
押井氏が「作りたい」と言ったもので実現していないもの、企画倒れになったものはこれ以外にも腐るほどあるので(こういうのは他の作家にもありますけど、特に押井氏には多い気がする)私は「ふーん」程度に見ていたのですが、マスコミは「『イノセンス』の続編が?」みたいにやたら煽る感じで記事にしていました。
一方で、『イノセンス』プロデューサーを務めた石川光久氏は以下のように語っていました。
押井守監督:“攻殻機動隊3”は実現するのか? 「イノセンス」の「制作費をリクープしないと世に出ない」 石川光久Pが明かす
アニメ映画祭「第3回新潟国際アニメーション映画祭」が3月15日、新潟市内で開幕し、オープニング作品として押井守監督の名作「イノセンス」が上映された。同作のプロデューサーを務めたIGポートの代表取締役社長の石川光久さん、フェスティバル・ディレクターの井上伸一郎さんが登壇。(中略)
「イノセンス」は、膨大な制作費がつぎ込まれたと言われている。石川さんは「推定20億円と言われているけど、それに近い数字はいっていると思う。この作品はお金がかかる。短期では回収できないかもしれませんが、10年で回収しますと言っていた。20年たったけど、まだリクープしていない」と話した。
石川さんが「20年前の映像だけど色あせていない」と話すように、名作ではあるが、商業的に大成功したわけではない。石川さんは「制作費をリクープしないと“3”が世に出ない。このことを伝えたい。拡散していだきたい。僕も見てみたい。『イノセンス』を見ると(3への)ヒントがある。この続きを作れば、それを全部回収できる」と呼びかけた。
要するに「もっと『イノセンス』にお金落としてね」ということでしょうか、いつもしたたかな石川氏です。
押井守監督の「攻殻機動隊」3作目は実現するのか 『イノセンス』を通して語られた続編の可能性、AIへの考え方、巧いアニメーターの価値
「48時間前に押井守監督と90分くらい話をしたんです」。そう『イノセンス』上映前のトークで切り出したのは、Production I.Gを率いて押井監督と数々のアニメ映画を作ってきた石川光久会長だ。「4Kリマスター版の『イノセンス』を上映する舞台挨拶で、『攻殻』でやり残したことがあって、3を作りたいみたいなことを言ったと聞いて、作る気もないのにリップサービスで言ったのかを確認するために話をしました」(中略)
もっとも、いざ「攻殻3」を作るとなると、『イノセンス』ほどの緻密で繊細な絵作りを現在の制作体制で行えるのかが気になるところだ。ビデオメッセージで押井監督は、『イノセンス』にとてつもない情報量を込めたことをあらためて指摘していた。「映画は、ドラマやキャラクターといったいろいろな側面から語られたり見られたりするが、純粋に映像としてどれだけの情報量を持てるかが、映画にとって重要なことだと思っている」
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