野良犬の塒
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THE CARDINAL OF THE KREMLIN クレムリンの枢機卿

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ストーリー

米ソ間で軍縮交渉が行われる一方、宇宙で別の競争が行われていた。SDIである。ソヴィエトはレーザーで大きな進歩を遂げ、地上から一瞬の内に衛星を溶かしてしまった。
一方その情報を手に入れる為、アメリカのスパイ、暗号名「枢機卿」に指令が下る。しかし彼に危機が迫りつつあった。ライアンは枢機卿を救う為、一大諜報作戦を決行した。
そしてアフガニスタンのゲリラの男。彼がソヴィエトのレーザー施設を知った時……。

解説

我々が「スパイ」という言葉を耳にする時、どうしてもジェイムズ・ボンドのように派手で華麗な存在を思い浮かべる節がある。彼らは不死身で数々の秘密道具を持ち、魔法のように敵施設を襲撃して秘密文書を奪ってくるものだ。しかし本当のスパイの世界とは、もっと地味で、そして遥かに巧妙である。
クランシーはこの作品でスパイ、諜報の世界を実にリアルに再現し、スパイという言葉の意味を教えてくれる。

一方この物語はSDIの技術競争をも描いている。アメリカとソヴィエトの若き技術者の、武器を持たぬ戦いがそこにある。今となっては我々は「ソヴィエトにそんな事をする技術があった筈が無い」と思うかもしれないが、ソヴィエトがレーザーに関して高い技術力を持っていた事は事実である。

出版情報

クレムリンの枢機卿
著者 トム・クランシー
訳者 井坂清
出版社 文藝春秋
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