だが始まってみると非難の声が非常に大きかった。視聴者から文句の手紙が大量に送りつけられ、カミソリまで入っていたという。視聴率も良くなく絵も悪い。そして放映局のフジテレビからも圧力があり、押井氏を解任するという話にまで発展して行く。
だが次第に抗議の声は小さくなり、好意的な批評が出てきて視聴率も上がり始め、そのまま押井氏は『うる星』に留まり続ける事になる。そしてその後押井作品の多くに関わる事になる伊藤和典はどんどんホンを書き、そして原作では名前すら与えられない脇役であったメガネを演じた千葉繁は咆えまくる怪演を見せた。番組は最高視聴率27.8%にまで達した。
こんな話がある。第1話でラムの胸が出るシーンがあるが、さすがにまずいと云うことでフジテレビ側からこれをカットするよう要請があった。しかし押井氏は薄ら笑いを浮かべて「大丈夫ですよ」とこれを拒否、それではせめて出ている時間を短くしろと云う声が出たが、これさえも拒否した。結局このシーンはこのまま放映され、結果想像通りPTA等のクレームを受けることになる。
うる星やつらのフジテレビ側のプロデューサーだった岡正氏は、キネマ旬報増刊 押井守全仕事でこのように語っている。
押井君、あなたは僕の言うことをほとんど聞かなかった唯一のディレクターだけど、今となっては総てが懐かしく思える。
押井氏はラムと云うキャラクターが理解できなかったと言っているが、実際に押井氏の話ではラムが『お客さん』として脇役に回っていることが多く、「ビューティフル・ドリーマー」などまさにそれである(その代わり世界がラムの夢の中になっているが)。
メガネと云うキャラクターの影響が凄まじかった。正にこのキャラは押井氏の姿の具現であり、押井氏本人の台詞を代弁する存在である。更に千葉繁氏の熱演の力も非常に大きい。一応このキャラは原作にも存在していたが、そのうちに忘れ去られてしまったキャラであった。だが押井氏は第19-20話『ときめきの聖夜(前後編)』でこのキャラに『ラム親衛隊最高幹部会議長』として凄まじいまでの生命力と存在感を与えた。
大体『うる星やつら』という世界観の広さ、許容量の大きさを利用して様々なことをやっていた。うる星やつらは1話完結型の話が多いが、それを30分に引き延ばすのはかなり大変なことである(らんまのTVアニメを見れば分かろう)。しかしそれを実に大胆な味付けでやってのけたのだ。85話『さよならの季節』は、一応原作の「あたるの引退」が元になっているが、それからあれだけの話を作り上げたと思うのは信じ難いほどである。
押井氏は129話までうる星やつらのチーフディレクターを務め、その間に「オンリー・ユー」と「ビューティフル・ドリーマー」という2本の劇場作品も作られた。130話からは制作がぴえろからディーンに移り、押井氏や伊藤氏も同時にうる星やつらを離れることになる(押井氏はその後ぴえろを離れてフリーになる)。当時ぴえろは「ビューティフル・ドリーマー」の制作もあり、製作現場はどろどろの状況で、作画も崩れて2週連続総集編などと云う事まで起こっていた。そして「ビューティフル・ドリーマー」で、「うる星やつら」でやりたいことをやり尽くして疲れ果て燃え尽きた押井氏は、「うる星やつら」を去ることになる。
名前 | 声優 | プロフィール | |
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諸星あたる | 古川登志夫 | 究極絶無の女好きにしてゴキブリのような生命力を持つ。友引高校2年4組の生徒。その凶運により、地球に侵略してきた鬼族の代表ラムと地球の運命をかけた鬼ごっこを行う事になってしまう。どうにかそれに勝利して地球は救われたが……。 | |
ラム | 平野文 | 鬼星からやってきた鬼娘。空を飛び、電撃を放つ能力を持つ。一体何が気に入ったのがあたるに惚れていて友引高校に編入、しかもヤキモチ焼きなので『ダーリン』が浮気しようとするとすぐに電撃を飛ばす。異常に辛いものが好物。 | |
三宅しのぶ | 島津冴子 | あたると同じクラスで元ガールフレンド。あまりの男運の無さに「男なんて~!」という口癖のもと怪力を発揮、得意技は机投げ。あたるを見限って終太郎を気にするようになるが……。 | |
面堂終太郎 | 神谷明 | 面堂家の御曹司。金持ちできざったらしくしているが内面はあたると同様の女好き。面堂家は私設軍隊まで有する大財閥である。何かと日本刀を振り回すが、閉所恐怖症の暗所恐怖症。あたると同じクラスに転校してくる。 | |
面堂良子 | 小山茉美 | 終太郎の妹。美人だがかなり陰湿な性格で兄とどろどろした争いをしている。よく藁人形に杭を打っている。 | |
テン | 杉山佳寿子 | ラムのいとこ。口から炎を吐き、非常に低速だが空も飛ぶ。女には愛嬌を振りまくが男にはとことん生意気なクソガキ。ラムと一緒に地球に居着く。 | |
サクラ | 鷲尾真知子 |
巫女であり、友引高校の保険医でもある。霊力は結構あるようだ。尋常ではないほどの大食らいだが全く太らない。 | |
藤波竜之介 | 田中真弓 | 浜茶屋を継ぐため父親に男として育てられた可愛そうな少女。女物のふりふりした服とか下着に憧れているが、すっかり口より手が先に出る性格になってしまった。普段は胸にサラシをまいての学ラン姿。馬鹿ではないが教養が無く単純。 | |
竜之介のオヤジ | 安西正弘 | 元浜茶屋店主だったが店を破壊してからは再建資金を稼ぐため友引高校購買部で働いている。姑息でしたたか。 | |
メガネ | 千葉繁 | 勝手に設立されたラム親衛隊最高幹部会議長。原作ではそのうち忘れられて消え去ってしまったキャラだが、アニメでは押井氏の趣味と千葉氏の演技によって凄まじいパワーを発揮するキャラとなっている。 | |
パーマ | 村山明 | ラム親衛隊の隊員。 | |
カクガリ | 野村信次 | ラム親衛隊の隊員。 | |
チビ | 二又一成 | ラム親衛隊の隊員。 | |
温泉マーク | 池水通洋 | あたるたちの担任の英語教師。いつも生徒達に強圧的な態度を取ろうとするが、反撃にあっている。名前の由来はネクタイの柄から。本名不明。 | |
永井一郎 | 突然何の脈絡も無く湧いて出てくる破戒坊主。非常に食い意地が張っている。霊力はあるようで役に立たない。サクラの叔父。 | ||
ラン | 井上瑤/小宮和枝 | ラムの幼なじみで、キスした相手の若さを吸い取る能力を持つ。レイを取られた復讐をラムにするために地球にやってくる。普段はぶりっこだが、興奮すると河内弁になる。シリーズ途中で声優が交代した。 | |
お雪 | 小原乃梨子 | ラムの幼なじみ。冥王星の女王の雪女。普段は静かだが冷血漢で、怒らせると何をするか判らない。 | |
弁天 | 三田ゆう子 | ラムの幼なじみ。喧嘩っぱやい姉御肌。エアバイク命。 | |
クラマ姫 | 吉田理保子 | 目覚めの口づけをした男と契って子孫を作らねばならないという掟を定められた鞍馬天狗の姫。その後は掟を無視していい男を捜し回っている。 | |
レイ | 玄田哲章 | ラムと同じ種族で元婚約者。だが普段から食い物の事ばかり考えている。ウシトラの怪物に変身する能力を持つ。 | |
黒メガネ | 面堂家の使用人兼ボディーガード兼その他諸々の男達。主に終太郎の命令に従っている。 | ||
黒子 | 面堂家の使用人兼ボディーガード兼その他諸々の男達。主に良子の命令に従っている。 | ||
あたるの父 | 緒方賢一 | ||
あたるの母 | 佐久間なつみ | ||
ラムの父 | 沢りつお | ||
ラムの母 | 山田礼子 |
パッケージ | 製品名 | 価格 | 備考 | 購入 | |
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