その名前が冠されたRAINBOW SIXの新ヴァージョン、ROGUE SPEAR。実のところ"Tom Clancy's"という名前にはなっているものの、初代のRAINBOW SIXと違って今回はクランシーはシナリオを書いていない。クランシーファンとしてはその点が残念ではあるが、登場するキャラクターは前作と同じクラーク、シャベスを始めとした面々に、新たなキャラクターが追加されている。
ほとんど単なる追加シナリオだったEAGLE WATCHと異なり、今回ではシステムの大幅な強化が図られた。それを以下に箇条書きしてみる。
新たに"LONE WOLF"と"TERRORIST HUNT"というモードが加わった。両方とも一度クリアしたキャンペーンのマップに対して使えるようになるものである。LONE WOLFは、プレイヤーはたった一人でマップに放り出され、脱出地点に向かわなければならない。TERRORIST HUNTは通常通り最大8名の隊員を使用でき、マップ内にランダムに配置されたテロリスト30名を全員無力化するのが目的である。
手榴弾爆発時の発煙、閃光手榴弾を直接見てしまったときの画面効果、雨や雪などの気象効果、吐く息の白さ(物陰に潜んでいても白い息が出ていることでそこに何者かが潜んでいるのが判る!)などの特殊効果に、グラフィック自体もかなり強化された。更に大幅なモーションの追加により、撃たれて足を引きずりながら進む隊員など、より動作が自然となった。撃たれて倒れるときのモーションは実にヴァリエーションに富んでいる。
今まで『何故出来ないのだ』と言われていたが到頭しゃがみ歩き、しゃがみ走りが可能に。更に左右に顔をちょっとだけ出して覗き込む"PEEK"という動作も追加された。
今まで無かったのはCQB(Close Quarter Battle、近接戦闘)専門のゲームだったというのが主な原因なのだが、今回は今までの隊員種別に"SNIPER"が追加され、PSG-1などのスナイパーライフルも武器に追加された。そしてスナイパーが活躍しやすいオープンフィールドのマップもある。
ミッションが終わった後に、そのリプレイを見たり、保存したりすることが出来るようになった。
リモコンで点火する事の出来るC4爆弾、HEARTBEAT SENSORをジャミング出来るHB JAMMER、HEARTBEAT SENSORに偽の反応を出すことが出来るFALSE HB PUCK等が使えるようになっている。駆け引きに深みが出るだろう。
前作ではよくAI行動の隊員が、物に引っかかって前進できないという状態が発生していたが、それが大幅に改善された(それでもやはり時々あるのだが)。
3日前、アオリアン航空の航空機が中東のテロリストたちにハイジャックされた。現在、航空機は燃料切れのため、ブリュッセル空港で足止めを食っているが、既に複数の人質が処刑されている。更に人質が殺害されてしまう前に、航空機を奪還せよ。遂に特殊部隊マニア念願の旅客機突入ミッションである。しかしこの手の任務は特殊作戦の中でもかなり危険が高い。まず第一に、飛行場はだだっ広くて平坦なので接近が困難である。そして機体の構造上、突入経路が限られてしまう。
では作戦開始だ。まず給油に向かうトラックの陰に隠れて進む。その一方でスナイパーは単独行動させて、丘の上へと向かわせよう。突入部隊は貨物搬入口から進入するが、ここにいる見張りは必ず頭を撃って、声を上げさせないように殺す事。とにかく気付かれないようにするのだが重要だ。そして二手に分かれた部隊は、一方が一階客室、もう一方が二階客室の階段を上りきったところで待機させる。
この時点で既にスナイパーは、タラップ上のテロリストを射殺してしまって構わない。銃声は飛行機まで届かないし、頭を撃ち抜いて静かに殺せば、他のテロリストは気付かない。
さて突入だ、二階客室には(VETERANでは)5人のテロリストがいる。HEARTBEAT SENSORで位置を確認しておこう。恐らく壁の裏側にもいるので、閃光手榴弾を投げる時に壁に向かって投げて跳ね返らせ、上手く全員の目を眩ますようにしよう。そこが重要な点である。そうしたらあとは突入だ。一階客室は二階ほどきつくはない。
今回も日本代理店はマイクロマウスで、日本語紹介記事もある。Red Storm Entertainment社からオープニング・ムーヴィーと体験版のダウンロードが可能だ。