野良犬の塒
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WXIII 機動警察パトレイバー解説

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Cパート シーン20 クラブのシーン

DJがアナログレコードを使っているが、これが13号をおびき寄せることになってしまう。クラブのエアコンが壊れていたのでドアを大きく開いており、そこから外に音が漏れだして、13号を引き寄せる結果になっていた、という細かい説明が脚本にはあった。
その後、車の中の死体を発見する女性。ここは高山氏が「ぶす女にしてくれ」という指示を出した。現代の若者に対する悪意の表れらしい。

チャプター11 備蓄基地

Cパート シーン20 湾岸備蓄基地

基地に向かうパトカー。この警察無線は、脚本のとり氏が無線雑誌などを読んでかなり突っ込んで調べたそうだ。その時に判明したというが、警察無線は全てセンターを通して行われる。つまり、よく刑事ドラマである、車同士が無線で話をするというのは本当は出来ないそうだ。また後で機動隊が出てくる時、第一小隊とは言わずに「一小」と言っている。この辺もとり氏が調べたそうだ。

コミック版ではこの基地(メンテナンスベース)は、劇場版一作目の「方舟」の補助的な基地と語られていたが、この映画では劇場版の後、即ち方舟が崩壊した後の話で、この基地が方舟の代替として使われているという裏設定がある。
ここで作業員が「星野」と言っているが、ここに登場する人物の名前はプロ野球12球団の監督から取られた。従って、後に出てくるがこの基地で死んだ人間も12名である。

これから13号との追いかけっこが始まるわけだが、良く見るとここは13号が全て音に対して反応している。音を立てた者に対して攻撃を仕掛けており、また光を避けて行動しているのが判る。13号は(多分)目が見えないという事は劇中では話されておらず、その結果後にも幾つか分かり難い演出が出てしまった。

久住が逃げ回っているが、本来脚本では逃げ回るのは秦の予定だった。しかし「足の不自由な久住が逃げ回った方が面白いだろう」ということで久住に変更になった。しかし「足が不自由な人間をどう走らせるか」でアニメーターは四苦八苦したことだろうが(この、アニメーターに負担を掛けるような演出を押井氏は批判していたそうである)。
そしてマッドハウスに来る三年までの間に描かれた、右足の悪い久住の原画と左足の悪い久住の原画に分かれていたものを統一しなければならなかったという。遠藤氏も「足の悪いキャラ」を描くのにドラマなどを見て参考にしようとしたが、ドラマの俳優もいい加減で足が逆になっていたりしたため、実際に町で足が不自由な人を見かけると「しめしめ」と眺めていたそうだ。
この久住は、事故で足を怪我し、一応骨はくっついたがリハビリをサボっていたため杖を使っているという設定である。現実ではそういう刑事は療養中は内勤になったりするのだが、久住の人を寄せ付けない性格描写に良いだろうと言うことでこの設定となった。

13号だが、ここで出てくる時点では下半身が未発達で、引きずるように動いている。後半では四つ足で立っており、進化しているのだ。
13号が基地から落下した時、レイバーに当たっている。このレイバーだが良く見ると外郭カウルだけであり、そのため海に落ちても暫く浮いていた。メンテナンス用にカウルが外されていたものらしいが、「13号はわざわざレイバーから外郭をひっぺがえして被ったのか?」という突っ込みの答えが、非常に気が付きにくいがこれである。「それでおべべを着たわけですよ(遠藤)」「何で?(とり)」「そろそろ胸が大きくなってきたから!(遠藤)」
ついでに後のシーン、「どうして13号がロボットになってるの?」と勘違いした人もいたとか。「りゅうじんが変形してロボットになった」と考えた人がいるという話も……。

チャプター12 肉片

Cパート シーン22A 東都研究所

駐車場で冴子のと同じ車に気が付く秦。そして研究所内で写真を眺める秦。良く見ると、ここで冴子の父親の西脇が来須と共に写真に写っている。
東都は西脇と来須の二人によって作られた研究所だが、西脇の死後来須が西脇の栄光を奪い、それに対する西脇の娘冴子の復讐、というのがコミック版には動機の一つにあった。だがこのプロットは映画では削除されている。
そしてその代わりに冴子の母性というのが強調されるようになった。顕微鏡を覗く冴子の笑みなどにそれが現れている。

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