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■「パトレイバー2」 検討用あらすじ
シナリオ作業に入る前に書かれたものです

《プロローグ》
199X年。東南アジア某国。 PKFに参加した陸上自衛隊レイバー小隊、全滅。 徹底した武器使用制限ゆえの壊滅であった。 それから数年――

《新世紀の初頭》
大阪府警および神奈川県警にレイバー隊創設。それに伴い、警視庁警備部特車二課も大き く変化していた。 ――新設された装備開発課員として篠原重工へ出向中の遊馬。同じく、そのラインでテス ト走行に励む野明。 警備部総務課長に栄転、デスクワークの日々を送る進士。 レイバー隊員養成校教官として後進の育成に務める太田。 整備班長に昇格したシゲ。 御意見番としてあいかわらず踏んばっている榊。 課長代理を兼ねて多忙のしのぶ。 新人たちを相手に、欲求不満に陥っている後藤。 そして、ただひとり埋立地に居残り、園芸の日々を送るひろみ……
それぞれが、それぞれの場所で、それぞれの日常を送っていた。 ――旧第二小隊隊員たちの埋立地の夏は、終ったのだ。
《爆撃》
事件は唐突にその幕を上げる。 F16 、横浜ベイブリッジ爆破。 報道は、それが自衛隊機であったことを告げる。 しかし、――自衛隊に該当する機体は存在しなかった。 パイロットをかくまうためでも、失態を隠蔽するためでもなく、この時点で、自衛隊は、 確かに真実を語っていた。にもかかわらず、この事件は人々に、自衛隊への不信と、もっ と大きな事態の展開を予感させることになる。
《予感》
株が暴落し、銀行取り引きが停止になるという噂がとびかい、多美子は臨月間近の腹を抱 えて、トイレットペーパーの買い占めに走る。 その冬、人々はひどくナーヴァスになっていた。 ラジオの深夜放送に割り込むちょっとしたノイズや、TV放送終了間際の試験電波までが 特別な意味を持ち、商店がシャッターに臨時休業の紙を貼りだし、都内の道路がお盆や正 月なみに閑散としだした頃、それは起こった。
《ゼロアワー》
千歳から飛びたったと思われる編隊が、東京に向けて接近中―― 早期警戒レイダーが示 すデータはそう告げていた。 照会の結果、またしても自衛隊内には該当機なし。疑心暗鬼のうちにスクランブル発進が かけられる。 接敵できないままに、刻々と迫る東京到達の瞬間…… 今度は、東京が目標なのか?
万一に備え、首都圏の防衛に自衛隊の出動が命じられる。 状況が把握できないままにTVに映し出された自衛隊出動の映像は、人々を動揺させるに 充分すぎるものであった。 折りも折、双方向性のあるメディアは次々と使用不能になる。 人々はTV、ラジオが垂れ流す、不確かな情報に踊らされ、そして、ついには、それらの メディアも沈黙した。 ――後に、東京を目指した編隊はバッジシステムに介入、操作された誤情報であったこと が判明する。が、すべては手遅れだった。
《東京孤立》
信頼できる部隊はどこか?
どの部隊が敵で、どの部隊が味方なのか?
状況の把握が事態の進展に追いつかないままに、情報を遮断された東京は、一触即発の危 機を迎える。 さらに、各部隊、各警察署が、それぞれの持場で独自の判断において、可能なかぎりの行 動をとろうとしたことが、状況を悪化させようとしていた。
《レイバー隊》
そんな中で、政治的決着を望む警視庁幹部と、しのぶが真っ向から対立。警察の責務を全 うすべき、と強行に主張するしのぶは、ついに留置される。が、それも束の間、後藤の手 引で脱獄。 潜伏する二人に逮捕命令が出る。
《召喚》
かくして、状況打開の切札として旧第二小隊を再編すべく、後藤は、各地に散らばった旧 隊員たちに召集をかける。 だが、手配中の後藤の召喚に応じることは、とりもなおさず警察官としての未来を捨てる ことを意味した。 それぞれの信じるもののために―― 自分の正義を賭して、それぞれの日常から、戦場へ と帰還する隊員たち。 彼らの夏が還ってきたのだ……

《準備》
アメリカの軍事介入が囁かれる中、すでに現役を退いていたイングラムがひきずりださ れ、軍用レイバーのパーツを流用したマイナーチェンジが施される。 本当の敵はどこか? 信頼できるものは自分の眼と耳だけという状況の中で、情報収拾に 奔走する後藤。 再編成された第二小隊は、その指揮権をしのぶに託され、地下迷宮へと降りていく。
《新夢の島へ》
暗黒の地下道にゲリラ戦を展開する第二小隊。 そして―― 闇の果て……
海鳥の乱舞する廃棄物集積場に、ただひとり、その男は、しのぶを待っていた。


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