東京都出身。父は私立探偵。学生時代は学生運動に傾注し、その一方で、年に映画を1000本は見たという。また自主映画の制作などを行なった。
東京学芸大学教育学部美術教育学科卒業。教員免許を取り小学校の教師を志望していたが、「知人に任せたら願書を申し込み忘れられた」ということで断念。会社員やラジオの編集の仕事を務めたあとタツノコプロダクションに入社。主に鳥海永行に師事してアニメ演出を学び、『一発貫太くん』が初の作品となる。
後に鳥海永行氏と共にスタジオぴえろに移籍。『ニルスのふしぎな旅』の各和演出を担当した後、高橋留美子の人気コミックのアニメ化『うる星やつら』で初の(そして唯一の)TVシリーズ監督(チーフディレクター)を務める。当初は原作ファンからカミソリが送られてくるほど不評で、監督降板の話も出たが、次第に人気が出て視聴率は上昇する。
同時に『うる星やつら オンリー・ユー』『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』という2本の劇場作品の監督を行ない、後者がアニメファンだけではなく映画ファンにも大きな衝撃を与える。また世界初のOVA(オリジナルビデオアニメーション)『DALLOS』に参加。その後スタジオぴえろを退社、以後フリー。
その後『天使のたまご』というOVA作品の監督を行なうが、非常に観念的・前衛的な内容であったため一般には受け入れられず、初の商業実写映画監督作品『紅い眼鏡』もその傾向があったため、しばらく作品を制作させてもらえなくなる。だが監督を務めたOVAシリーズのロボットアニメ『機動警察パトレイバー』がヒット。さらに『機動警察パトレイバー 劇場版』が娯楽大作として広く一般に受け入れられた。
その続編である『機動警察パトレイバー2 the Movie』では、ロボットが活躍しない、従来のキャラクターが活躍しないという理由から、古くからのパトレイバーファンには一部反発も見られたが、自衛隊問題、PKO問題などを盛り込んだ内容がアニメの枠を超えた社会的注目を浴びる。
その後は士郎正宗のコミックを原作とした映画『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』を制作・公開。これは日本国内での興業は振るわなかったが、アメリカで大ヒット。日本の映像作品としては初めて、ビルボード誌集計による全米ヴィデオ売り上げトップを記録。以後は“世界の押井”として喧伝されるようになった。
その余勢をかって、バンダイのデジタルエンジン構想による映画『G.R.M.』を企画。総制作費40億ともいわれる遠大な計画だったが、次第に予算は縮小し、最終的に企画は“凍結”の憂き目にあってしまう。だが『G.R.M.』準備段階で開発した技術の一部を使い、実写映画『アヴァロン』が制作された。
2004年には、アニメーションの新作としては約10年ぶりとなる映画『イノセンス』を監督。日本のアニメ作品としては初の、カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品を果たした。
『機動警察パトレイバー TOKYO WAR』を始めとして、幾つかの小説も書く。
一度離婚し、その後再婚している。前妻との間に一女あり。その娘の押井友絵は映画誌ライターとして活動中。
参考資料 押井守全仕事 ロマンアルバム攻殻機動隊 PERSONA 押井守の世界
年月日 | 事象 |
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2004/10/27 | 「東京国際映画祭2004 東京アニメ映画祭」開催 |
2004/09/11 | 『風人物語』放送開始 |
2004/05/01 | I.G FESTA by club asia 開催 |
2004/04/30 | 「イノセンス非公式ナイト~イノセンスを語るのに押井守になる必要はない~」開催 |
2004/04/10 | 森都市未来研究所 イノセンス・都市の情景展 開催(05/09まで) |
2004/03/13 | 「球体関節人形展 身体における人形性」開催 |
2004/03/06 | 『イノセンス』一般公開開始 |
2004/02/28 | 「押井守とバセットハウンド」開催(03/14まで) |
2004/02/26 | 『イノセンス』完成披露記者会見・完成記念試写会 「Howling in the Night2004~押井守、《戦争》を語る」開催 |
2004/02/22 | 「押井守非公式ナイト~イノセンス、それは、○○○」開催 |
2004/02/13 | 「六本木ヒルズ 朝まで文化祭」にて『イノセンス』初公開 |
2004/02/07 | 「球体関節人形展」開催(03/24まで) |
2004/01/01 | 『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』放映開始 |
2003/06/14 | 『KILLERS』公開開始 |
2003/05 | 『RAINY DOGS 紅い足痕』エース特濃にて連載開始 『立喰師列伝』連載終了 |
2003/03 | 『殺人者たち The Killers』杉浦守作画によって再掲載 |
2003/02/26 | 「東京要塞化計画Project.01 Howling in the Night~押井守≪戦争≫を語る」開催 |
2002/03/30 | 『ミニパト』『WXIII機動警察パトレイバー』と並映で公開開始 |
2002/03/26 | 少年エースに『DRAGON RETRIEVER 西武新宿戦線異状なし』番外編掲載 |
2002/03/23 | 「『WXIII 機動警察パトレイバー』公開記念・オールナイトde同窓会」にて『ミニパト』全3話公開 |
2002/02/26 | How to Make TOKYOにて『ミニパト』第1話公開 |
2002/01/15 | ヤングマガジン アッパーズに『殺人者たち The Killers』掲載 |
2001/12/14 | 『サンサーラ・ナーガ 1×2』(ゲームボーイアドバンス用ゲーム)発売 |
2001/10/30 | 『ミニパト』第2話が東京国際映画祭2001特別企画「押井守レトロスペクティヴ」で初公開。 |
2001/06 | 『立喰師列伝』ザ・スニーカーにて連載開始。 |
2001/01/20 | 『アヴァロン』劇場一般公開開始。 |
2000/12 | 『Avalon 灰色の貴婦人』発売 |
2000/12 | 『犬の気持ちは、わからない 熱海バセット通信』発売 |
2000/11 | 『BLOOD 獣たちの夜』発売 |
2000/11/18 | 『BLOOD THE LAST VAMPIRE』劇場一般公開開始 |
2000/11/04 | 『アヴァロン』第12回東京国際映画祭で先行公開 |
2000/11/02 | 『BLOOD THE LAST VAMPIRE』東京国際ファンタスティック映画祭2000で先行公開 |
2000/06/03 | 『人狼 JIN-ROH』劇場一般公開開始 |
2000/02/19 | 『人狼 JIN-ROH』ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2000で先行公開 |
1999/09 | 『犬狼伝説』連載終了 |
1999/06 | 『犬狼伝説』月刊少年エースで連載再開 |
1998/12/18 | 『機動警察パトレイバー 劇場版 サウンドリニューアル版』『機動警察パトレイバー2 the Movie サウンドリニューアル版』DVD発売 |
1998/02 | コナミのアーケードゲーム『バトルトライスト』稼働開始 |
1998 | 『G.R.M. ガルム戦記』企画凍結される |
1996/10 | 『セラフィム』休載 |
1995/11 | 『注文の多い傭兵たち オシイマとその一党のコンピュータゲームをめぐる冒険』発売 |
1995/11/18 | 『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』一般公開開始 |
1995/09/23 | 『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』東京国際ファンタスティック映画祭'95で先行公開 |
1994/07 | 『サンサーラ・ナーガ2』(スーパーファミコン用ゲーム)発売 |
1994/04 | 『セラフィム』アニメージュで連載開始 |
1994/03 | 『機動警察パトレイバー TOKYO WAR』発売 |
1993/11 | 『DRAGON RETRIEVER 西武新宿戦線異状なし』連載終了 |
1993/08/07 | 『機動警察パトレイバー2 the Movie』一般公開開始 |
1992 | 『機動警察パトレイバー 98式起動せよ』(メガドライブ用ゲーム)発売 |
1992/11 | コンバットコミック誌に『DRAGON RETRIEVER 西武新宿戦線異状なし』1話より連載開始 |
1992/09/28 | 『Talking Head』一般公開開始 |
1992/06 | ネオファンタジー誌に『DRAGON RETRIEVER 西武新宿戦線異状なし』連載開始するも一話が掲載されただけで 雑誌休刊、出版社倒産 |
1992/04/23 | 『機動警察パトレイバー 後期OVA』最終巻発売 |
1991/03/23 | 『ケルベロス 地獄の番犬』一般公開開始 |
1991/02/16 | 『ケルベロス 地獄の番犬』ゆうばり国際冒険ファンタスティック映画祭'91で先行公開 |
1990/11/22 | 『機動警察パトレイバー 後期OVA』第1巻発売 |
1990/09/26 | 『機動警察パトレイバー TVシリーズ』TV放映終了 |
1990/06 | 『犬狼伝説』連載停止 |
1990/03 | 『サンサーラ・ナーガ』(ファミコン用ゲーム)発売 |
1990/03/19 | 『MAROKO 麿子』一般公開開始 |
1990/01/25 | 『御先祖様万々歳!』最終巻発売 |
1989/10/11 | 『機動警察パトレイバー TVシリーズ』TV放映開始 |
1989/08/05 | 『御先祖様万々歳!』第1巻発売 |
1989/07/15 | 『機動警察パトレイバー 劇場版』一般公開開始 |
1988/12/10 | 『機動警察パトレイバー 初期OVA』第6巻発売 |
1988/04/25 | 『機動警察パトレイバー 初期OVA』第1巻発売 |
1988 | 『犬狼伝説』連載開始 |
1987 | B-CLUB16~21号に近藤和久氏作画の『西武新宿戦線異状なし』掲載開始するが中断 |
1987/08/28 | 『Twilight Q VOL.2 迷宮物件 FILE538』発売 |
1987/02/07 | 『紅い眼鏡』一般公開開始 |
1987/07/19 | 『赤い光弾 ジリオン』第15話放映(絵コンテ) |
1987/04/19 | 『赤い光弾 ジリオン』第2話放映(絵コンテ) |
1985/12/15 | 『天使のたまご』発売 |
1984 | スタジオぴえろ退社。暫く宮崎駿(スタジオ二馬力)のところに転がり込み、そこで『とどのつまり』のコンテ作業を行なう。 |
1984/08 | 『とどのつまり』アニメージュで連載開始 |
1984/06/28 | 『DALLOS』最終巻発売 |
1984/03/28 | 『うる星やつら TVシリーズ』スタジオぴえろ担当最終話放映 |
1984/02/14 | 『子鹿物語 THE YEARLING』第12話放映(絵コンテ) |
1984/02/11 | 『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』一般公開開始(大森一樹監督のすかんぴんウォークと並映) |
1984/01/10 | 『子鹿物語 THE YEARLING』第7話放映(絵コンテ) |
1983/12/21 | 『DALLOS』1巻発売 |
1983/07/21 | 『スプーンおばさん』第54話放映(脚本・絵コンテ) |
1983/03/26 | 『タイムボカンシリーズ 逆転イッパツマン』TV放映終了 |
1983/02/11 | 『うる星やつら オンリー・ユー』一般公開開始(相米慎二監督のションベン・ライダーと並映) |
1982 | 『ニルスのふしぎな旅 劇場版』完成(未公開) |
1982/02/21 | 『ダッシュ勝平』第21話放映(絵コンテ) |
1982/02/13 | 『タイムボカンシリーズ 逆転イッパツマン』TV放映終了(全58話中絵コンテ7本) |
1982/02/06 | 『タイムボカンシリーズ ヤットデタマン』TV放映終了 |
1981/10/14 | 『うる星やつら TVシリーズ』放映開始(チーフディレクター1~106回・絵コンテ21本・演出24本・脚本7本・絵コンテ再構成1本) |
1981/10/22 | 『まいっちんぐマチコ先生』第3話放映(絵コンテ) |
1981/10/08 | 『黄金戦士ゴールドライタン』第33話放映(演出) |
1981/10/06 | 『名犬ジョリィ』第23話放映(絵コンテ・演出・演出助手) |
1981/09/15 | 『名犬ジョリィ』第21話放映(演出・演出助手) |
1981/08/27 | 『黄金戦士ゴールドライタン』第27話放映(演出) |
1981/07/28 | 『名犬ジョリィ』第16話放映(絵コンテ) |
1981/03/17 | 『ニルスのふしぎな旅』放映終了 |
1981/02/07 | 『タイムボカンシリーズ ヤットデタマン』TV放映開始(全52話中絵コンテ6本) |
1981/01/13 | 『タイムボカンシリーズ タイムパトロール隊 オタスケマン』TV放映終了 |
1980/02/02 | 『タイムボカンシリーズ タイムパトロール隊 オタスケマン』TV放映終了(全53話中絵コンテ6本) |
1980/01/08 | 『ニルスのふしぎな旅』放映開始(全52話中絵コンテ11本・演出18本) |
1979/10 | スタジオぴえろ入社。 |
1979/09/05 | タツノコプロダクション退社。 |
1979/02/03 | 『タイムボカンシリーズ ゼンダマン』TV放映放映(全52話中絵コンテ10本・演出9本・修正絵コンテ1本) |
1979/01/27 | 『タイムボカンシリーズ ヤッターマン』放映終了(押井氏は全108話中絵コンテ2話担当・後半総助監督担当) |
1979/01/21 | 『科学忍者隊 ガッチャマンII』第17話放映(演出) |
1978/12/03 | 『科学忍者隊 ガッチャマンII』第10話放映(演出) |
1979/01/15 | 『魔女っ子 チックル』第43話放映(ストーリーボード) |
1978/11/05 | 『科学忍者隊 ガッチャマンII』第6話放映(絵コンテ・演出) |
1978/07/02 | 『一発貫太くん』第41話放映(演出) |
1978/04/02 | 『一発貫太くん』第29話放映(演出) |
1978/03/26 | 『一発貫太くん』第13話放映(絵コンテ・演出) |
1977/12/11 | 『一発貫太くん』第13話放映(絵コンテ) |
1977/08/06 | タツノコプロダクション入社。 |
1977/01/01 | 『タイムボカンシリーズ ヤッターマン』放映開始 |
1976/03 | 東京学芸大学教育学部美術教育学科卒業。 |
1970/04 | 東京学芸大学教育学部美術教育学科入学。 |
1951/08/08 | 押井守生誕。 |