anipop.tvのこちらにて、先日行なわれたKILLERSの舞台挨拶の模様を動画で見ることができる(接続速度を選択してCM放送終了後に視聴可能)。
ところで、この時押井氏の「映像機械論 Mecha-Philia」もそろそろ出るという話も出ていた。
約3名ほどが勝手に期待している、KILLERS公開初日レポートだが、もう暫くお待ち頂きたい(家に帰れないし……)。しかしどうしてみんな私がリポートを書くと決めつけているのだろう。
ぴあのInvitationという雑誌では『ジャパニーズ・ドリームはアニメにある』という特集、また新しく創刊された日経Characters! では『敏腕プロデューサーが語る実力監督達の「最新作」』という特集で、押井氏と、I.G社長の石川氏、ジブリのプロデューサーでイノセンスにも関わっている鈴木氏のインタヴューが掲載されている。どちらも「映画・アニメ論」というよりは「映画・アニメビジネス」が主題で、インタヴュー内容もそちらの方に流れているが、イノセンスについても語られている。
「『GHOST~』と同じキャラクターは出てくるけどまるで違う作品になります。例えて言えば劇場版『パトレイバー1』と『パトレイバー2』の関係に似てるかな……。というと途端に不安がよぎるファンもいるかと思いますが(笑)、間違いなく言えるのは映画として前作より成熟した世界を構築しています。僕の中では成熟しすぎて退廃的な物語だともとらえている。少なくとも道徳的な映画じゃないですね。」と、他にも色々。
「(鈴木氏について)例えば『イノセンス』のメインビジュアルに犬が描かれてるでしょう? あれは最初は人形だけだったんだけど敏ちゃん(鈴木敏夫)が「犬を出しなさいよ」ってアイディアをくれたんです。正直に言うとそれは全く思いつかなかった。並のプロデューサーならそういうのは出てこないですよね。作品にとって客観的に何が必要かを見抜く力に長けている。そういう意味では、今この作品で彼と組めて良かったのかもしれないですね」(Invitation誌)「今回の主役はバトー。バトーと素子がどういう形で再会するか-。というのが一つのポイントですね。もちろん、9課の面々は皆出てきますよ。とくにトグサが活躍する。今回はバトートグサとを組ませて、バディ・ムービーにしようと思っているんです」
「バトーはバリバリの機械化人間で独り者。トグサは生身の人間で妻子持ち。体の構造も価値観も全く違う二人がコンビを組むと面白そうだなって思ったんです」
「男二人が相互に語り合って話を進めていかなければならないので、どうしても話がシブくなってしまうことです。だから、今回はシブくなりすぎないために、絶えず事件を起こして、どんどん話を展開させます」(日経Characters! 誌)
ところで、クエンティン・タランティーノ監督のキル・ビルにもI.Gのアニメーションが使われているという話が両誌にも出ていた。この映画、非常に情報が少なく、公開されている写真も、ブルース・リーのバイクスーツみたいな服を着た女が日本刀を持っているというよく分からない写真が出ているだけ(@Nifty CINEMA)。どの情報を見てもB級映画の臭いしか出ていないが(そもそも何故アニメパートがあるのかも不明)、石川氏は「マトリックス リローデッドの対抗馬になる」とまで語っている(Invitation誌)。
しかし日本のアニメ製作現場の危機とかで世界に遅れる日本のアニメーション教育機関とか言っている現状で、いつまで「日本のアニメが世界に」とか言っていられるのやら。
6月15日は「インディーズNIGHT」として、3回目(1630より)の上映終了後に辻本氏、河田氏の二人の新人監督と、PERFECT PARTNERに出演している水玉れっぷう隊がゲスト。
6月21日は、「きうち組総結集!」として、初回(1150より)の上映終了後にきうち氏他、「PAY OFF」のキャストがゲスト。
6月22日は初回(1150より)の上映終了後に「大川組総結集!!」として大川氏他、「CANDY」のキャストがゲスト。
そして最終日の6月27日には4回目(1850より)上映前に、各監督のサイン入りポスターのプレゼントが行なわれるそうだ。
というわけでテアトル池袋でのKILLERSの公開はたったの2週間なので、見に行こうと思っている人は注意が必要だろう。
ところでKILLERSのサントラは、6月10日から劇場か東宝のオンラインショップのみでの販売となるので注意。
MANGAZOOには押井守監督最新作も入ってる5話構成のオムニバス・アクション・ムービー『KILLERS』という記事が。私もこの試写会に行ってきたので簡単に感想を。
散々低予算、低予算といわれているが、しかし実際に見てみると、予算が無いなりにかなり頑張って作っているという印象を受けた。特にPERFECT PARTNERのアクションや、押井氏が予算の半額を注ぎ込んだというゲテモノスナイパーライフルなどは非常に良く、うまく「一点豪華主義」を出していると言えるだろう。
バンダイビジュアル攻殻SAC公式サイトには、菅野よう子と佐藤大の対談が掲載された(ニュータイプ4月号に掲載されたのを再編集したもの)。
また愛知万博について、5月30日に地元のニュース番組で押井氏が登場した。それを記録してくれた人がいるので以下に記載する。
『万博に挑む狙いは?』(情報提供 猫見氏)
「椅子に座ってモニターやスクリーンを眺めるという関係そのものを変えたい。なかなか普段はそういう場は成立しないわけですから、こういう万博みたいな、言ってみれば一種のお祭りだと思うんですが、そういう非日常の部分でやらせてもらえてらいいなとは思っていたんですよ。それは最後のチャンスだと思ったので、結構大胆なことをやってみたいなあと」『来場者へのメッセージ』
「今回に関して言うと、見る以前に立ってほしい。ぜひ立ってください。その場に来て、立ってください。そうするとすごく、いっぺんにわかってもらえると思います」
しかし最近あちこちに押井氏の名が出ているなあ。
DogWorldという雑誌(何の雑誌かはタイトルで解るだろう)に押井氏が登場している。押井氏の愛犬のうちの一匹ガブリエルがヘルニアを患って歩けなくなり、そのため押井家は平屋の家に引っ越すという予定らしいが。
「何が素晴らしいって、僕はガブに選ばれた飼い主なんですよ。だから選ばれた以上は、飼い主としての義務を果たさなくてはいけない」
「(アヴァロンについて)スタッフに(バセットハウンド以外の)ほかの犬にしたらと散々言われたけど、僕はバセットにこだわりたかった。確かにバセットは映画には向いてない。目線を動かすくらいしか演技ができないですから。
でも、僕はバセットを撮らせたら世界一の監督だと自負してます(笑)。いずれバセットを主役にした映画を撮りたい。本気です!」
そして、押井氏が所有する、特注のため世界に一つしかないバセット・オルゴールの写真が出ていた。こちらはイノセンスに登場予定らしい。(情報提供 KUNI氏)
ところでマトリックス リローデッドの上映寺、一部の劇場で攻殻SACのアドシネ(宣伝予告)が見られるそうだ。スクリーンのでかい画面で(ほんの僅かな時間だが)攻殻SACを見られるという点では貴重かもしれない。アドシネの中身自体は後からストリームで見られることになる予定。詳細はバンダイビジュアル攻殻SAC公式ページ。
そして何故か男性向けファッション誌のsmartに押井守インタヴュー。短いが内容は比較的濃く、宮崎駿や高橋留美子に関する記述がなかなか面白い。
(押井)「理念に従って映画を作ることほど危険なことはない。宮さんの場合は絶妙なバランス感覚で優れたエンターテインメントになっているけど、ヘタするとゲッベルスになっちゃうよ」
(押井)「高橋さんになんか、うる星の劇場版を観た後、そっぽを向かれたわけだけど…」
(BDの作品紹介で)原作者は試写を見た後、黙り込んだ。
また現在発売中の特撮ニュータイプに天本英世追悼特集があり、押井氏が『天本英世さんを偲んで』という文章で寄稿している。
天本さんには「紅い眼鏡」という実写映画で月見の銀二という立喰氏を演じて貰ったの徹夜つづきの撮影の合間に言葉を交わしたことがあるだけです。早くスペインに戻りたい、お金のための仕事はつまらない-というような内容だったと思います。
数年後、どこぞの駅のホームで黒マントに身を包んで颯爽と歩く姿を、偶然に見かけたことがありますが、その姿は劇中の月見の銀二そのままでした。
僕にとっての天本さんは、死神博士でもドクターフーでもなく、いつまでも立喰氏の月見の銀二のままなのです。
御冥福をお祈りします。
放送後のビデオ化など二次利用を前提とした独自製作も拡大する。東北新社が昨秋に実施したアニメ企画対象の受賞作「風人物語」を押井守氏が監督監修しアニメ化、冬にも放送予定。この風人物語がどういうものかについてはファミリー劇場のアニメ企画大賞のページに記載がある。本当に『監督』なのだろうか?(情報提供 ポンギー氏)
攻殻SACの第15話中射撃演習シーンでバトーらが使っている銃の名前が『G33 ADVANCE』。これが、東京マルイから発売されているエアガンの『G26 ADVANCE』とのタイアップでの登場ということで、秋葉原アソビットシティの5F エアガンコーナーと新宿さくらやホビー館1Fにて本日よりタイアップ紹介パネルが展示されるということである。
ザ・スニーカーに連載されていた『立ち喰い師列伝』が今月で完結。しかし「タンザニアで盲腸の手術」ってI.G社長の石川氏のことですか? 本当に単行本化されるのかなあ…。(情報提供 桃色の悪魔氏)
名古屋で6月6日から7日にかけて、ジャパン・デジタル・アニメーション・フェスティバル2003が開催されるが、こちらに押井氏とI.G社長の石川氏が参加され、「セルとデジタルの違いを語る ~セル・アニメーション『人狼 JIN-ROH』の制作者から~」という対談が行われる。詳細はこちら。
もう一つこれも古い話だが、押井氏の大学時代の後輩である金子修介氏が、追悼 深作監督というエッセイの中で押井氏との会話を取り上げている。(情報提供 SLR氏)
チャンネルNECOにてカンヌ映画祭特集という事で、カンヌで公開されたアヴァロンが5月に放送される。(情報提供 ハンニバル氏)
攻殻SACのマスコット(?)笑い男だが、公式グッズとして笑い男Tシャツなどが発売されるという。まー攻殻SACのマーチャンダイジングでは笑い男しか無いのだから頑張って欲しいのだが。
六本木ヒルズで世界都市 ~都市は空へ~という展覧会が4月25日から9月21日まで開催されるが、この東京シティビューで短編映像が公開される。
こちらで、『東京スキャン』と『東京静脈』という二つの短編映像が公開されているが、これを押井氏が監修している。『東京静脈』では音楽も川井憲次がやっているそうだ。現代の東京では使われなくなった水路を探索する映像。東京の動脈「首都高速道路」の下でどのような景色が展開されるのか
という言葉からはやはりパトレイバー2を思い出すが。
マーベラスエンターテイメント、子会社化したMIIの戦略意図について詳細を発表というニュース。『サンサーラナーガ』シリーズなどのマスターライツ(映像著作権)を獲得
とあるが。サンサーラ・ナーガについてはこちら。
DOLL FORUM JAPANのHPに、イノセンスのロケハンで押井氏らを案内したO氏のコメントが掲載されている。『熱風』の連載で、ベルメールの人形でほとんど満足しきってしまったと書いた押井氏は「怒られるんじゃないか」とびくびくしていたようだが。(情報提供 HAMADA氏)
そして川井憲次公式サイトで、先日行われた川井憲次ナイトショウの写真が掲載されている。
またKILLERSの公開が6月14日に決まった模様。こちらはテアトル池袋での公開日で、大阪シネマ・ドゥでの公開日がいつかは不明だが。
あとまた宣伝になるが、現在amazon.co.jpで3%還元キャンペーンというのをやっているのでこの機会に是非。真面目な話、広告収入がなかったら私は死んでいたかもしれません。
4月10日には別冊宝島アニメシリーズとして機動警察パトレイバー PERFECT BOOK キャラクター&メカニックス徹底解析という本が出版される。押井氏と出渕氏のインタヴューも収録されているそうだ。(以上情報提供 ハンニバル氏)
また攻殻SAC公式サイトが更新されており、東京国際アニメフェアのイヴェントリポートなどが掲載されている。
「(KILLERS主演の仁野唯について)それに彼女は食べっぷりがいい。僕はがつがつ食べるのが好きで、彼女のような豪快な食べ方は普通の女優さんには出来ないだろうから」
「『アヴァロン』を精神分析医に見てもらったら、「あなたのフェティッシュの塊だ」と診断され、そう言われてみるとなるほどなぁって(笑)」
「(イノセンスについて)エモーション、ほとんどそれだけと言っていいような作品になると思う。そうなるのもやはり年齢のせいで、この年になると世界と新たな関係を結びたいという気持ちが生まれてくる。もう老境にさしかかった人間の最後のあがきみたいなもので(笑)なかにはその対象が女性になる人もいるけど、僕はやはり犬だ。もちろん、今回も犬が登場するが、今までとはちがった意味合い、重要な存在として出てくる。つまり、犬の向こうに見えるものは何か、それを突っ込みたいと考えている」
「『マトリックス』の印象は特になく、唯一感じたのは恥ずかしさだった。実写でやると、ある種のあざとさがよくわかって(笑)。実は前の『攻殻機動隊』のアクション・シーンはそれほど多くはない。『イノセンス』はそれ以上で、およそ2倍くらいになると思う」
池袋文芸坐にて4月26日、ミニパト全話、パトレイバー1、パトレイバー2、そしてWXIIIパトレイバーのオールナイト上映がある。トークショーもあり、ゲストにゆうきまさみ氏ととり・みき氏が来られるということ。
そして杉並アニメ資料館での人狼の展示の詳細がこちらに。沖浦氏らが出演する「セルアニメーションの制作工程の記録」というヴィデオが上映されるそうだ。
あとプレミアム・アニメーション・フェスティバルというイヴェントが4月1日から6日まで福岡三越で開催される。展示物はガイナックス、サンライズ、そしてProduction I.G。こちらで押井守作品の展示があるようだ。4月29日から5月5日までは新潟三越で開催予定。(情報提供 ハンニバル氏)
また最新情報ではないが、不帰の迷宮の復刊希望を復 刊.comに登録しておいたので宜しければ投票を。そのほかの押井守作品の復刊希望はこちら。
アヴァロン 灰色の貴婦人の文庫版がMF文庫より発売されたようだが当方まだ未確認(amazonでも売り切れのまま)。
3月21日~22日に行われる東京国際アニメフェア2003について、I.Gブースの詳報がこちらに掲載されている。攻殻SACラリーゲーム、笑い男バッジプレゼント、そして後藤隆幸氏のサイン会と、神山健治氏らスタッフ座談会など。
角川書店の少年エースの増刊号、エース特濃(しかしもうちょっとどうにかならないのかこのタイトル)に、押井守原作、杉浦守作画のKILLERSが掲載された。このKILLERSは、以前ヤングマガジンアッパーズに掲載された神崎将臣氏の作画によるKILLERSをリメイクした形のもので、更に追加のエピソードが盛り込まれている。
そして今後エース特濃には、この押井・杉浦コンビで『THE RAINY DOGS 紅い足痕』の連載が始まるという。この『紅い足痕』がどういうものかは、ケルベロス 地獄の番犬の制作経緯についてちょっと説明しなければならない。
本来ケルベロスの企画は、全編に千葉繁氏演じる都々目紅一が出てくる予定だった。しかし台湾での長期のロケーションと千葉氏のスケジュールが合わず、急遽脚本を変更して撮影したのが現在知られているケルベロス 地獄の番犬である。
それで今回の紅い足痕では、その幻のケルベロスの初期稿を使った、新たなケルベロス・サーガの物語となるのだそうだ。時代設定としては犬狼伝説で描かれたケルベロス騒乱の後、紅一が逃亡中の話となるそうである。
文化庁メディア芸術祭 歴代受賞者シンポジウム『拡張する表現/混沌・越境へ』リポート
文化庁メディア文化祭のリポートについては後で……。
ZDNet Japanに、週刊ドットブック なんでアニメは強いのか? 見えないところを取材したという記事が掲載されており、Production I.Gが紹介されている。石川社長、沖浦氏が出ていて人狼のことが語られている。(情報提供 ひみつ氏)
あと、amazonで攻殻SAC 5巻の予約が始まった(送料無料・15% OFF)ので皆さん宜しく。
取り敢えず、ソニー・マガジンズ ハイパープレイステーション2 2003年4月号に押井氏のインタヴュー。こちらも押井守シネマ・トリロジー/初期実写作品集にあわせたものである。
まず最初に宣伝させていただきたい。現在amazonで、最大20%OFFのアニメフェアが行われており、押井関連DVDのほとんど(押井実写BOX、劇場版ニルス、ニルスDVD-BOX1、ニルスDVD-BOX2を含む)も15%OFFで販売されている(1500円以上の商品は送料無料)。そこで「買う気がなくても買って下さい」とは言わないが、もし買う気があってamazonを使う意志があるなら、その時は是非野良犬の塒のリンクを辿って購入していただきたい。そうすれば当方に幾らか紹介料が入り、活動資金の足しにすることが出来る故(既に使用していただいている方々には感謝)。川井憲次CD-BOXには割引は付かないが(送料は無料)、限定商品なので予約された方が宜しいようだ。
宣伝終わり。
月刊GUN 2003年4月号に、押井守シネマ・トリロジー/初期実写作品集にあわせた押井氏のインタヴューが2P。ほんのちょっとだけKILLERSについても触れられている。
既報の通り、サンライズのサイト内『アトムの遺伝子 ガンダムの夢』にI.G社長石川氏のインタヴューが掲載された。
最後に、カートゥーンネットワークにて人狼が3月1日1900時より放映されるという話。基本的にTV放映の話については、初放映時以外は追い切れないので掲載していない(出来ない)のだが、折角垂れ込まれたので載せておく(情報提供 大空美架氏 秋氏)。
攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEXについて。ネットラジオサイト『ラジ@』内のENTER THE NATIONという番組に神山氏が出演する。RealPlayerかWindows Media Playerによるストリーム放送で、2月28日0100時から一週間視聴可能とのこと。
更にサンライズのサイト内『アトムの遺伝子 ガンダムの夢』で、Production I.G社長の石川氏のインタヴューが2月27日より掲載されるそうだ。……ってここ、バックナンバーがWebに残っていないのか?
そして昨年11月29日に放映された「金曜アニメ館 特集 攻殻機動隊」の再放送が2月28日 1830時より行われる。
あとイヴェント情報。3月21日と22日に東京国際アニメフェア2003が行われるが、これにProduction I.Gが出展。トークショーなどを企画中らしい。
編者が原作の大ファンであるロード・オブ・ザ・リング 二つの塔の劇場公開が始まっているが、このパンフレットに押井氏が文を書いている。
1ページにぎっちりと文字が詰め込まれており、非常に高く評価していた。これを少し引用する。
『ロード・オブ・ザ・リング』の功績は、いままで絵空事に過ぎなかったファンタジーを、大人が見るに耐えられるものに仕立て上げたところにある。ファンタジーと言うのは本来、血の匂いのするものだ。そこには運命や宿命、近親殺しや虐殺が繰り広げられ、多くの血の部分と美しいものとのバランスの上に成り立っている。ところで押井氏が、ナズグルの乗っている有翼の獣を『ワイバーン』と表記しているが、原作中ではこの獣の名前や種類の名については全く触れられていない。ともかく押井氏はワイバーンが好きなようで(パトレイバー2の敵機のコールサインだ)、LOTRに出てくる恐るべき獣のデザインも気に入っていた。だが飛び方には不満があるようだが(あれは羽ばたかず滑空するのが正しい、ということだろう)
そして、何と言っても戦闘。今回の最大の勝因を挙げるなら、その戦闘をテーマにしているところ、これに尽きる。戦闘という目標を持つと、さまざまなことがクリア出来る。映画は自動的にその方向に流れはじめ、すべてのものが弾けてゆく。戦闘という力技で押して押して押しまくることが出来るのだ。特に素晴らしいのはやはり最後、ヘルム峡谷の攻防戦だ。騎馬で突っ込んで行くシーンは、普通こういうカットは作らないだろうと思っていたそれ。僕は常々、両サイドからぶつかって行くさまを、どこまで(キャメラが)寄らずにワンカットで見せるかというのが映画の課題だと考えていたが、この作品はそれをまんまとやってのけた。これは本当に凄い。もちろん、エフェクトなしでは不可能なのだが、そのエフェクトは地味で、とんでもなく細かい仕事になる。デジタルは、まるで魔法の杖のように言われているが、実際は途方もなく手間と時間がかかるものだ。人間の地道な努力がなければ実を結ぶことはない。それをやっているのだから、もう驚くしかない。
その戦闘シーンが活きるためには甲胃や武器も重要になるが、それも今回は素晴らしい。最初に言ったように、このシリーズの功績は、メルヘン的だったファンタジーを地に足が着いたものにしたところにある。主人公も並の人間であり、野宿して歩き回り、髪もバサバサになる。甲胃を身に付けて戦うときは、その重さに耐えなければならないし、敵を倒すときは首を飛ばすしかない。この映画は、そういうディテールもきっちりと描いている。甲宵のデザインも部族によって変えていて、そこにも作り手のこだわりを感じさせる。それくらいしないと、体臭が漂ってくるようなファンタジーには成りえないということだ。
キャラクター的には、美味しいシーンが多いエルフのレゴラスもいいが、やはりアラゴルンが際立っている。前回は恋愛シーンがあったせいで甘い印象だったものの、今回はそれが薄れ、より精悍。ヘルム峡谷の砦で、少年兵士との対話シーンがあるが、その百戦錬磨の戦士と少年の束の間のやりとりにアラゴルンの人間性が渉み出ている。これから出陣する少年に何か伝えたいけど、その言葉が見つからない。あの子は朝まで生きていないかもしれないのに-そんな感情が、あの小さなエピソードのなかに凝縮されて、とても好きなシーンだった。
考えてみれば、スクリーンで映画を見たのは前の『ロード・オブ・ザ・リング』以来だった。そして、きっと次の『王の帰還』もスクリーンで見る作品になると思う。
デザイン的にはいいとは思わなかったが、動きは悪くないという話だが、もっとイヌ科の動物を思わせるデザインにして欲しかったのだろうか、やはり(どちらかというとあれはネコ科だし)。
また他にも同日のイヴェントについて、月刊六畳エンターテインメントやmodel f plusなどのサイトにリポートが掲載されている。
生憎3月のサンシャインクリエイションは
ところで一つ書き忘れていたことを。押井守シネマ・トリロジー/初期実写作品集のジャケットイラストは西尾鉄也氏が描いたのだが、これを描くために一晩で紅い眼鏡、ケルベロス、トーキング・ヘッドを見るという「一人オールナイト」をやったそうだ。
ところでZDNetより。ニューロンとチップを直接接触、電気信号読み取りに成功 Infenionというニュース。電脳化社会への第一歩か。
またSTUDIO VOICE 2003年3月号には攻殻SACの紹介。こちらは特にインタヴューなどはない。
また月刊GUN 2003年3月号にKILLERSの記事が4P。掲載紙がこれなので中心はこの映画の「メインキャスト」スナイパーライフルについて。写真を見ればそのゲテモノぶりが分かるだろう(実包の大きさに注目)。(情報提供 T.N氏 ashigaru氏)
エフエムとよひらというラジオのアニメ専科という番組にて、2月3日(明日だ!)に押井氏が、2月24日に神山氏が出演する。2200時~2359時の放送時間の中で、約10分間出演するらしい。札幌ローカルの放送局だが、インターネットライヴ放送がchannel-apple2で聞けるはず。こちらではQuickTime6を使うので、予めインストールしておくべし。
また2月15日(オールナイト上映当日)には文化放送の超機動放送アニゲマスターで押井氏が出演。また千葉繁氏と兵藤まこ氏もゲストとして出演予定。こちらに生放送で出演した後、オールナイト会場に向かうそうだ。
また川井憲次公式サイトに、Kenji Kawai Cinema Anthorogy ~押井守実写作品集~(amazonでの予約はこちら)の特典CDについて少し書かれている。「
このCD-BOXだが、初回限定生産となってしまったそうであるので欲しい人は予約しておくべきのようだ。DVDの方は限定ではない。
あー、いい加減不帰の迷宮の解説書かなくては……後に詳細な説明を乗せますが、取り敢えず押井氏と伊藤和典氏、千葉繁氏の三人によって作られたドラマCDです。
原註
DVD-BOX「押井守シネマ・トリロジー/初期実写作品集」(バンダイビジュアルより2/25リリース)の発売を記念して、オールナイトイベントを開催! 15年を経てなお人気の『紅い眼鏡』など、押井守実写三作品を一挙上映!!また先日の記事について、taka氏が改めて詳しいレポートを出してくれたので更新した。
通常DVD-BOXを買わないと観られない映像特典の上映や、押井守監督を始めとする豪華ゲストのトークショー、プレゼント抽選会、そして気になる新作オムニバス映画『KILLERS』情報(映像提供:東宝)も盛り込んだ、貴重なこの機会をお見逃しなく!
- 日時
- 2003年2月15日(土) 23:30開場/23:40開演(終了予定7:30)
- 場所
- 東京・テアトル池袋/池袋駅東口・西武百貨店イルムス館前
- 料金
- 2,500円均一(当日のみ/入場整理券配布)
- ゲスト
- 押井守(監督・脚本)
- 千葉繁(「紅い眼鏡」「トーキング・ヘッド」主演)
- 藤木義勝(「ケルベロス」主演/「トーキング・ヘッド」出演)
- 兵藤まこ(「紅い眼鏡」/「トーキング・ヘッド」出演)
- 大塚ギチ(特典映像「DOG DAYS AFTER」構成)
- 菊崎亮(特典映像「DOG DAYS AFTER」演出)
- くろがねゆう(「KILLERS」プロデューサー)
- 桑島龍一(バンダイビジュアル/司会)
- 上映作品
*上映は全作品DVDマスター(デジタルベータカム)を使用してのDLP上映になります。
- 紅い眼鏡(1987年/製作:オムニバスプロモーション/116分)
- ケルベロス-地獄の番犬(1991年/製作:バンダイ・フジテレビジョン/95分)
- トーキング・ヘッド(1992年/製作:バンダイ/105分)
- DOG DAYS AFTER(2003年/製作:バンダイビジュアル/52分) ※DVD特典映像
- 入場方法
- 当日15:00よりテアトル池袋窓口にて整理番号付きチケット販売!
*先着プレゼントを実施!/先着100名様には「紅い眼鏡」公開当時の貴重なオリジナルポスターを差し上げます。- お問い合わせ
- テアトル池袋 03(3987)4311
*テアトル池袋公式サイトはこちら http://www.cinemabox.com/schedule/ikebukuro/
また日本映画チャンネル(707ch)で放映された押井氏のインタヴューのリポートがあったので掲載させて頂く。
まずイノセンスについて。
またKILLERSについて、この作品に登場する、狙撃される役の「大物プロデューサー」はジブリの鈴木敏夫氏であることを明かした。「まあ、アニメーションなんですけどね。もう一年半ぐらいやってるのかな、もうあと1年ぐらいかかると思います。まあ、僕が今まで手がけた中では最大規模の予算で、膨大な手間隙が掛かってますねやっぱ、そういう種類の作品です。すごく手間隙ていうか緻密に作らざるを得ないような世界の話で。
たぶんまあ、今まで僕がやってきた映画と今回はちょっと違うんじゃないかという気がしてますね。そういう意味で言えば、僕の作品が好きだとかですね、うーん、とくに天使の卵が大好きだとかね、どうなんだろう、もしかしたら『えっ』とか思うかもしれないし、逆に大喜びするかもしれない、なんとも言えないですね。ただ、うーん、僕自身もまだちょっとよくわからないですね」
「もちろん『天使のたまご』っていう作品の以前から、彼がアニメ雑誌の編集長、副編集長かな、だったころからずっと付き合っているわけですけど、作品として付き合ったのは『天使のたまご』が最初で、つい最近、もう作り終わったんですけど、KILLERSっていう作品で、今度は彼に役者として出てもらったというかね、役者と監督の関係で付き合った。だから随分久しぶりですよね、20年、20年までいかないかな、それくらいいくのかな、20年ぶりぐらいですよね。(情報提供 taka氏)
まあ、なんだろう、簡単に言って僕がやったのは20分の短編なんですけども。あるスナイパー、狙撃手ですね、殺し屋ですけど、狙撃のプロの話なんですけど、そのスナイパーの話で、タ-ゲットは誰にしようかなと、最初から自分の知り合いを誰か殺そうと思ってたんですよ、できればある程度有名な人がいいなあていうね、どうせだったら。でこの男を殺せば確実に何百人か大喜びするだろうなていうふうな、で頭の中で何人か候補を挙げていってですね、結局鈴木敏夫になったていうか。まあ、そいうことでまあ彼を殺すことに決めた。というふうな作品なんですけどね。
でこういう話なんだけど「出てくれるよね」て言ったら「いいよ」ていうはなしで、嬉々としてやってましたよ。たぶんなんか、たぶん散々悪いことやってきた男なんで、たぶん殺されたいとかね、そういう願望があるに決まってると僕は思ってたので、『華々しく見事に殺してやるからね』ということで、ものの見事にぶっ飛ばしました。快感でしたよ。
なんだかんだいっても結局お互い友人がいない男なんで、これだけ長く付き合ってきた人間ていうのはめったにいないんですよね。で仕事はしなかったけど、ずっと付き合いはしてたので、まあそういう意味でいえばなんだろうな、うーん、まあ友人……、友人て言うのかなあ……そういう関係なんですけどね。
お互いにやりたいことはよくわかっている、でも一緒にやることはあり得ない、ていうねそういう関係なんでしょうかね。
だから続いたのかもしれないけど。だからたぶん、うーん、作り物の中で相手の願望を満たしてあげるていうかね、僕の精一杯の優しさていうやつですね、と思って作ったんですけど。本人は気に入ったみたいですよ。
で確実に業界の人間は大喜びしたっていう、恨んでるやついっぱいいますからね、ものすごい恨みを買って生きてる男なんで、まあ本人が一番快感だったんじゃないですかね。
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